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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

「塩抜き食」は命の危険!内臓機能低下も…摂取量多いほど死亡率低い?

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
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 1930年代に、アメリカのテイラー医博が「抜き」の食事を続けて、自分自身で人体実験をしたところ、以下の結果から中止を余儀なくされたという。

・3~4日目=食欲低下、冷や汗
・5~7日目=名状しがたい全身倦怠感
・8~9日目=筋肉の痙攣が止まらず、実験中止

「塩」の効能についてまとめてみると、

(1)鹹味(かんみ)=塩味を出す
(2)殺菌力がある
(3)旨みを出す…肉や魚の身を引きしめる

 のほか、

(4)体液の浸透圧を一定に保ち、水分の代謝や体液のPHを維持する
(5)神経の興奮の伝達に関与する
(6)筋肉の収縮作用に必須
(7)胃液、腸液、胆汁などの消化液の原料
(8)体内の有毒物質の解毒

 などがあげられる。よって塩分不足は、新陳代謝の低下(体の老化)、食欲減退、筋肉の痙攣、心臓の収縮力の低下=血圧低下(脱力感、倦怠感)などを引き起こす。

 25~75歳までの20万7729人を対象に行われた米国国民栄養調査の結果、アルダーマン博士が世界的に権威のある医学誌「Lancet」に発表した論文をみると、「食塩摂取量の一番多いグループの死亡率が一番低く、食塩摂取量が少なくなるほど死亡率が高くなっている」のがわかる。

 止められると3分で死亡するほど大切な空気(酸素)も、吸い込みすぎると痙攣や失神を伴う「過呼吸症候群」に陥る。よって「息は吐いてから吸え」ということで「呼吸」という。

 塩分も同じだ。お風呂、サウナ、岩ばん浴、運動などで発汗し、人参ジュースや生姜紅茶で排尿を促して塩分を排出してから摂ると、健康に悪いどころか、健康を増進するのである(塩は水とともに行動するので発汗、排尿で体外へ排出される)。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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