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早稲田大の没落、慶應「優位」鮮明に 偏差値・難関資格・昇進…受験生も慶應志向

文=島野清志/評論家
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 司法試験の合格者数は早慶拮抗しているが、受験者の平均合格率は累計で慶應大の49%に対して早稲田大は38%。慶應大は受験者のほぼ半分が合格するわけで、東大、京大に次ぐ高水準だ。このほか民間企業での昇進度合いを示す指標になる上場企業の社長数・役員数でも、いずれも慶應大がトップ、早稲田大は2位。学生数という分母を考慮しても早稲田大は4万3286人、慶應大は2万8963人(2014年5月時点)なのだから、慶應大出身者の圧倒的な存在感がわかる。

時代への適応力に差

 大学の運営面に関しても、慶應大が時代に即した素早い動きを見せているのに対して早稲田大は停滞気味だ。近年、慶應大は縁故のある単科大学を合併するかたちで薬学部、看護医療学部を相次いで新設。看板の医学部を軸に医療系総合大学の学部構成を築いた。

 一方の早稲田大は既存学部の改編は行ったものの、単なる総合大学から抜け出せていない。この点では看護学科を併設した在京ナンバー3の私大、上智大にも後れを取っているのではないか。

 今後についても、気になる話は聞かれる。「推薦入試でも、より成績の良い生徒が慶應大を志願する傾向は強まっている」(私立進学校関係者)。関係者によれば、推薦入学を目指す成績最上位層の志願校は、以前は早慶同程度の比率だったが、最近では慶應大の比率が明らかに高いそうだ。

 世の中なべて一極集中、一強多弱の時代であり、大学の序列もまたそれを反映しているのかもしれない。ただ慶應大生の保護者の平均収入は早稲田大生のそれを大きく上回るといわれている。この収入の格差がそのまま大学の格差につながっているとすれば、看過できないところだ。
(文=島野清志/評論家)

【過去5年間の難関試験・資格御三家合格者数の累計】
・国家公務員総合職試験 早稲田597人(最高位3位)、慶應407人(同4位)
・司法試験 慶應859人(同1位)、早稲田794人(同1位)
・公認会計士 慶應863人(同1位)、早稲田686人(同2位)
※各データは人事院人材局・法務省・三田会調べ

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