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保育所に入れない!悲惨すぎる待機児童の実態…百人待ち、無認可すら入れず会社辞める

文=日下部貴士/A4studio
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 それならば、その“隠れた待機児童”の数も計算した上で多くの保育施設を建てればいいのではとも思うが、問題はそう簡単ではないらしい。

「そもそも都内で保育所を運営するのは採算が取れません。東京都は地価が高く、決められた範囲の保育料で決められた土地の広さを必要とする保育所は、経営が成り立たないのです。民間が認可外の保育所を作った場合も、自治体からの補助金は受けられますが、経営難であることは変わりありません。したがって新造するなら土地代のかからない公園のような公有地に絞られるのですが、すると今度は近隣住民からうるさいと苦情が出る。この際、少子化に直面する小学校の土地を保育所などに変えてしまえば、ある程度は待機児童問題が改善するのでしょうが、保育所は厚労省の管轄、幼稚園と小学校は文科省の管轄なのでそう簡単にはいきません。幼稚園と保育所の機能を持った『認定こども園』の設置も進められていますが、幼稚園側から見ると、文科省の補助金が手厚いためにあまりメリットがないのでなかなか増えないという状態ですね。根本的な問題の解消にはまだまだ時間がかかります」(同)

 各省の連携を強化していけば、瀬地山氏の言うように小学校を保育所に変えていくといったフレキシブルな施策も打ち出せると思うのだが、そこは“お役所仕事”の弊害が如実に表れているのかもしれない。

最善の対策

 では、現時点でできる最善の対策はないのだろうか。

「東京23区内にお住いのご家庭であれば、子どもが生まれる前から行動を起こすことでしょう。具体的には妊娠中の安定期に入った頃からすぐに保育所を探し始めること。そして生まれた後も働き続けることを前提に考えること。もし認可保育所の空きがなくても申し込みを続け、待っている間は認証保育所、認可外保育所、さらには小規模保育や保育ママさんを活用することが重要です。仕事を辞めなければ認可保育所が子どもを受け入れる際の優先度が高くなりますし、収入面での大きなメリットがあります。ただ、自営業やフリーランスで働いている人は自身で保育可能と見なされ優先度が下がってしまうので注意が必要です」(同)

 現状ではやはり諦めずに探し続けるしかないということのようだ。そして、もしどこの保育所にも入れられないとしても、保育ママといった小規模保育で代替しつつ収入源を確保することが重要といえよう。
(文=日下部貴士/A4studio)

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