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スピルバーグ監督の新たな到達点 『ブリッジ・オブ・スパイ』に宿る信念を読む

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【リアルサウンドより】

 『M:I-5』や『007 スペクター』、『キングスマン』に『コードネーム U.N.C.L.E.』と、最近になって、イギリスやアメリカで製作された質の高いスパイ映画大作が次々と公開され、各作品とも話題を集めている。この流れのなかで、今や映画史に大きく名を刻む巨匠となった、スティーヴン・スピルバーグ監督によるスパイ映画『ブリッジ・オブ・スパイ』が完成した。そして本作は、これら現実離れした、次々にアクションが連続するような娯楽活劇とは全く趣が違い、冷戦時代に捕虜となった両国のスパイを交換するために交渉を重ねていくという、歴史的な事実を基にした比較的地味な題材の人間ドラマだった。

 だが本作は、そのドラマを極限まで丁寧に撮りあげることで、おそろしい境地にまで到達した傑作に仕上がっていて、とにかく驚かされる。同時に本作は、スピルバーグ監督の新たな到達点としても記憶される作品になるだろう。それほどに、このスパイ映画は娯楽作品としてベーシックな面白さがあり、また、尋常でない奥行きがある。今回は、派手な他作品と比べると分かりにくい、本作の「凄さ」について、できる限り深く考えていきたい。

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