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トヨタ、なぜ意外なあの事業に巨額投資&開発本格化?章男社長、異例発言に透ける豹変

文=編集部

 株価低迷の最大の要因は為替の円高懸念だ。トヨタの対ドル円レートは通期(16年3月期)の平均で1ドル=118円と想定している。しかし、1月11日には1ドル=116円台まで上昇し、4カ月半ぶりの円高の水準となっている。

 16年3月期通期の売上高予想は、当初見込みより3000億円少ない27兆5000億円(前年比1.0%増)に下方修正した。だが、営業利益は2兆8000億円(同1.8%増)を据え置いた。16年3月期は円安効果で1150億円の営業利益の押し上げを見込んでいたが、これが下振れしそうなのだ。加えて、17年3月期は円安の業績への寄与が見込みにくい。

人工知能

 豊田氏は1月12日付日本経済新聞と英紙The Financial Timesの共同インタビューで、次のように語っている。

自動車は単なる移動手段ではなく、運転する人に一種のフリーダム(自由)を与えるものだ。どんな速度で走り、どこで曲がり、どこで追い抜くか。自動車である以上は、そうした決定権がドライバーにあってしかるべきだ。その上で人工知能(AI)などが人の技量を補って交通事故を未然に防ぎ、より安全で快適な走行を実現できれば、クルマの魅力は一段と高まる」(同紙より)

 この発言から、豊田氏の関心と方向性が見えてくる。AI技術の開発だ。米ラスベガスで世界最大の家電見本市、CESが1月8日(現地時間)に開幕した。現地からの報道によると、今年のCESのメインテーマは家電とクルマの融合だという。家電見本市であるにもかかわらず、トヨタなど世界の有力自動車メーカーが8社も出展した。

 トヨタが力を入れているのが自動運転技術だ。自動車に搭載したセンサーで収集する大量のデータをリアルタイムで処理し、運転制御に活用する。これを実現するためには高度なAI技術が不可欠となる。そこでトヨタは昨年12月30日、東大発ベンチャー企業のプリファード・ネットワークス(PFN)の第三者割当増資を引き受けた。出資額は10億円で、出資比率は3%。PFNは機械などが自分で学習するAI技術に強みを持つ。

 さらに、16年1月、米シリコンバレーにAI技術開発のための「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・インク」(TRI)を開設した。日本で開発していてはグローバルな技術革新で遅れるという、トヨタの危機感が見て取れる。200人の陣容で、AIの先端研究と商品開発を行う。20年までの5年間で1200億円を投じる計画だ。

 社長の豊田氏は研究所の設立発表会(15年11月6日)で、次のように語った。

「人工知能とビッグデータを自動車以外の産業基盤の要素技術として活用できるのではないか」(15年12月21日付日本経済新聞電子版より)

 トップの力強いメッセージからは、トヨタのイノベーションの方向性がはっきりと定まっているようにみえる。

BusinessJournal編集部

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