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カール教授の超入門ビジネス講座

今年、「お金」に革命的激変が起こるかもしれない…ビットコインが中国のせいで暴落中?

文=平野敦士カール/ビジネス・ブレークスルー大学教授、ネットストラテジー代表取締役社長
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 通常の通貨は、中央銀行が管理している。たとえば円であれば日本銀行だ。一方、ビットコインには中央銀行のようなものは存在しない。あらゆる取引は、すべて誰でもが参加できるインターネット上の個人間やり取り(ピアツーピア・ネットワーク)で行われる。

 そしてビットコインの信用は、ネットワーク参加者全体で相互監視されることで形成されている。あらゆる取引は、ブロックチェーンと呼ばれる元帳のようなものに、ネットワーク上の参加者(=ノード)に分散して記録される。過去のすべての取引が記録されるため、誰でも過去の取引を確認・検証することができる。データが分散しているために、仮に1人がネット上で攻撃を受けてデータを喪失しても安全だとされている。

決済手段として広がるビットコイン

 ビットコインの通貨単位はビットコイン(BTC)だが、最小単位は1億分の1BTCで、その単位は発案者にちなんでSatoshiと呼ばれる。ビットコインの受け渡しはウォレット(財布)ソフトウェアを使って行う。

 たとえばAさんがBさんに1BTCを送金する場合を考えてみよう。まずAさんは銀行の口座番号にあたるビットコインアドレスを取得する。これは乱数であり公開鍵になっており、誰でもが見ることができる文字列だ。さらに秘密鍵を取得する。これは絶対に他人には見せてはならない文字列だ。

 そのうえでBさんのアドレス宛に1BTCを送金する、という内容を公開鍵とともにマイナー(採掘者)と呼ばれるノードに送信する。マイナーは受け取った取引情報をブロックにまとめて、ブロックチェーンの末尾に記録する。ただし、新しいブロックを記録するためには10分ほどで解けるように調整される難問(計算量の大きい問題)を解く必要がある。マイナーたちはその問題を解き、最初にブロックを追加することに成功したマイナーだけが規定された報酬を得ることができる仕組みになっている。

 なお、最終的に発行されるビットコインの総量は約2千万BTCに決定されており、ビットコイン生成に対して得られる報酬額は4年おきに半減する。このため単位(BTC)当たりのビットコインの価値が急騰したり、予想するマイナーによる採掘競争が過熱することもある。

 ビットコインの送金手数料は銀行の送金手数料やクレジットカードの手数料より安価であること、365日24時間利用可能であること、個人情報、口座番号、カード番号などの入力も必要ないこと、カントリーリスクがないことなど大きなメリットがある。そのため、送金やECサイトの決済手段として広がりつつある。特に海外送金の制限がある国や通貨の信用度が低い国などでは、通貨の代替手段としても注目されている。

平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

米国イリノイ州生まれ。麻布中学・高校卒業、東京大学経済学部卒業。


株式会社ネットストラテジー
代表取締役社長、社団法人プラットフォーム戦略協会代表理事。日本興業銀行、NTTドコモを経て、2007年にハーバードビジネススクール准教授とコンサルティング&研修会社の株式会社ネットストラテジーを創業し社長に就任。ハーバードビジネススクール招待講師、早稲田MBA非常勤講師、BBT大学教授、楽天オークション取締役、タワーレコード取締役、ドコモ・ドットコム取締役を歴任。米国・フランス・中国・韓国・シンガポール他海外での講演多数。


著書に『プラットフォーム戦略』(東洋経済新報社)『図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!』(ディスカヴァー21)『新・プラットフォーム思考』・『シリーズ 経営戦略・ビジネスモデル・マーケティング・金融・ファイナンス』(朝日新聞出版)監修にシリーズ18万部を突破した『大学4年間の経営学見るだけノート』『大学4年間のマーケティング見るだけノート』(宝島社)など30冊以上。海外でも翻訳出版されている。

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