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ロン・ハワード監督が豪快な演出で描き切る、人間の飽くなき強欲と無力

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【リアルサウンドより】

 復讐に燃える狂気の捕鯨船長エイハブと、彼の片足を奪った巨大な白い鯨・モビー・ディックとの壮絶な死闘を描いた、作家ハーマン・メルヴィルによるアメリカを代表する文学作品、「白鯨」。何度か商業作として映画化され、なかでも名匠ジョン・ヒューストン監督による『白鯨』が決定版になっているが、この物語の基となったのは、1821年、アメリカの捕鯨帆船・エセックス号が、怒ったマッコウクジラに襲撃されるという、実際の海難事故だった。ロン・ハワード監督による今回の海洋映画『白鯨との闘い』は、その衝撃的なエセックス号海難事故の真相を、現存する資料から可能な限り読み解いて書かれた、ノンフィクション書籍を原作としている。

 名作文学「白鯨」のクライマックスは、実際の事故同様に、クジラによる攻撃で捕鯨帆船が大破する模様が描かれるが、このノンフィクションを読むと、現実の事故は、むしろこの後の展開がさらに壮絶であったことが分かる。映画『白鯨との闘い』は、この過酷な事故の顛末を映像化し、海やクジラ漁のおそろしさ、そして人間の強欲さと弱さを、娯楽作品という枠の中で厳しく映し出すことに成功している

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