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椎名民生「不動産ビジネス最前線」

不動産流通を歪めて不当なマージンを貪る仲介業者が跋扈!悪しき慣習が常態化

文=椎名民生
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賃貸でも悪弊がはびこる

 賃貸仲介でも同様に悪弊がある。これまで不動産仲介業界では、「部屋を借りる際、賃借人は家賃1カ月分相当の仲介手数料を支払うのが当然」とされてきた。業者が受け取る仲介手数料は家賃1カ月と法律で決まっているが、借り主を見つけた業者とその手数料を折半するため儲けが少なくなる。そこで、大家から広告宣伝料名目で都内なら1カ月分、地方なら2~4カ月分も徴収する悪弊が定着している。

 最近、この仲介手数料(家賃1カ月分)を大家側にも半分請求することで、借り主の負担を半分にしたのが、「借り主の仲介手数料半月分」を謳う仲介業者だ。さらに最近では「借り主の仲介手数料ゼロ」も出始めた。これは、大家側の負担を大きくしている場合が多い。

 大友氏は、3年前に直接借り主が物件を探せる仲介手数料ゼロの賃貸住宅情報サイト「ウチコミ!」を始めている。このサイトを利用する大家側は、内見・契約業務をサポートするエージェントに1カ月分の手数料を払うだけで済む。利用者側から見れば仲介手数料が無料なのだ。

「売買も賃貸も、この業界の本質的な問題は、法律で決められた以上のマージンを客から取るのが文化(商習慣)になっていることです。この文化を崩さないと、不動産流通業界は衰退し、空き家問題もますます深刻になってしまいます」

 大友氏は不動産会社を経て、現在は屋根・外壁など住宅塗装をメインとしたリフォーム業が本業だ。内部・外部事情を知っているだけに、「既得権益にとらわれずに改革ができる」と言う。目指すのは、消費者がイニシアティブを持つ不動産市場だ。とかくブラックボックスといわれる不動産仲介業界に、風穴を開ける消費者サイドの次世代ビジネスから目が離せなくなりそうだ。
(文=椎名民生)

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