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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

旅行に行かなくても旅行を楽しめる?離れた人と食事やゲーム?「遊び」に革命

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ソニーのPlayStation VR試作品(「ソニー HP」より)
 メーカーがヒット商品を考えてつくるのは大変な作業だが、ヒット商品を予想するのも難しい。実際に、毎年発表される「来年のヒット予想」といった類のものはほとんどが外れる。そんなに簡単にわかればメーカーは苦労しない。


 しかし、今年に関して筆者はほぼ確実にヒットすると感じている商品がある。それは、360度全方向を見渡すことが可能な「バーチャルリアリティー仮想現実(VR)」だ。世界情勢の混迷などから日本の景気があまりよくならないとの予想も多いため、手軽に安く確実に体感できるVRの世界がブレイクすると感じている。

 映画館でも3Dメガネを装着して鑑賞することが一般的になっているように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着してバーチャルな世界が体感できる娯楽やゲームがヒットするのではないか。

 実はVR応用技術の研究は60年以上なされているが、高度な技術が必要なため2012年の3Dテレビ普及などに代表される「VRバブル」で一時期盛り上がったものの、ソフト・ハード不足などで頓挫している。

 ソニーが気合いを込めて発売する「PlayStation VR」やオキュラスの「Oculus Rift」、グーグルの「Google Cardboard」など、新商品が目白押し状態だ。グーグルは、動画を撮影するために必要な小型カメラを16台搭載した円筒型撮影カメラ(JUMP Camera)をオープンソースで提供しており、3次元的で本格的かつ刺激的なバーチャル体験ソフトが登場するか楽しみだ。ちなみにソニーは、100以上のPlayStation VRタイトルを開発中であることを明かしている。

無限の可能性が期待


 今年のゴールデンウィークは、平日である5月2日、6日を休めば10連休が可能になる。このタイミングを狙って、企業サイドはVR関連の新商品を提供してくるのは明らかだ。家族で「今年のGWはどこ行こうかな?」「でもお金がないし、VRでハワイや南国リゾートのソフトを買って楽しもう」というようなパターンも考えられる。

 複数でインターネット経由のVRゲームをしたり、スカイプ電話のようにVRマシンを使って離れた恋人や家族と3次元で交流をするといった楽しみ方もあるだろう。

遠距離カップルがお互いにディスプレイに向かうことで一緒にディナーを楽しめるVRサービスも出てきているが、HMDをつけてバーチャルで一緒に食事や遊んだりできるので、2次元的なスカイプなどではかなわない。

 夢が広がり無限の可能性が期待できるVRがいよいよ今年ブレイクすることに期待したい。ただし、使いすぎて“バーチャル酔い”で体調を崩さないように注意が必要だ。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

●山本康博(やまもと・やすひろ):
ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム(失敗経験100品以上)、テレビCMは52本。現在では新商品コンサルのほか、業界紙をはじめとしたメディアへの寄稿、企業研修、大学等での講義なども実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)など。