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西川淳「ボンジョルノ!クルマ」

メルセデス・ベンツとBMW、なぜ日本で最近「売れて」いるのか?

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ブランドの棲み分け


 こうした背景には、VWとほかの好調ブランドの棲み分けが以前からはっきりしていたことも影響しているように思われる。つまり、メルセデスやBMWは評判の確立したロイヤリティユーザーの多いプレミアムブランドであり、VW事件は「対岸の火事」だと認識されたのだ。

 また、プレミアム化をめざしながらもユーザー層がVWと重なるボルボあたりは、ショックとは無縁の非ドイツ車として、VWやアウディが本来獲得すべき新規ユーザーを収容する受け皿となったのだろう。

 こうして、VWショック後の日本の輸入車マーケットは、VWとアウディの“ふたり負け”状況となり、全体的にはプラス基調でありながら、この大きな2ブランドのマイナスが響いて全体数におけるマイナス成長を余儀なくされたに違いない。
 

B登録を回避


 もうひとつ、12月の輸入車新規登録台数を見ると、面白いことがわかる。実はトップ4が軒並み前年割れとなっているのだ。VWとアウディは不正ショックの影響である。これは単純な理由だ。では、メルセデスとBMWがそれぞれ販売台数を約11%、約5%落としたのは、いったいなぜだろうか。

 推測するに、VWとアウディが自滅してくれたことで、メルセデスもBMWも必要以上に新規登録獲得に力を入れなかったのだろう。たとえば14年末は、登録台数争いが最も熾烈だった年末で、VWとメルセデスが登録台数1位をかけて大接戦を演じた。結果、メルセデスがなんとVWに140台差にまで迫ったのだ。つまり、メルセデスはもう一昨年から勢いづいていた。

 その裏には当然、比較的安価な車両をディーラー登録する、いわゆるB登録戦法があったに違いない。15年初の中古車オークションや中古車販売店には、“登録済み未使用車”のメルセデス・ベンツAクラスやBクラスがたくさんあった。
 
 15年末に限っては、世界ビッグ4のうち巨人のVWが自滅し、上昇機運にあったアウディにも急ブレーキがかかった。メルセデスとBMWは、無理せずとも目指す地位を確保できたため、大量のB登録という事態を回避できたのだろう(それでも大手販売店には今年も登録済み未使用車が並んでいるが)。

 ブランドを傷つけずに済んだ輸入元はもちろん、販売店も大いに安堵したはずだ。B登録戦法を使うと、輸入元からの報奨金などで一次的には潤うものの、いずれにせよ一端登録しただけの車両なのでそのまま放置するわけにはいかず、自社で捌ききれなかった場合は中古車市場に回すほかない。

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