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東電幹部を業務上過失致死傷の疑いで起訴へ!原発、大津波事故を予見しつつ対策先送り

文=小石勝朗/ジャーナリスト
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東電幹部を業務上過失致死傷の疑いで起訴へ!原発、大津波事故を予見しつつ対策先送りの画像1東京電力本社(「Wikipedia」より/Theanphibian)

 福島第一原子力発電所で未曽有の事故を起こした東京電力の幹部に対して、刑事責任を問うことができないか。福島県の原発事故被災者らが検察に告訴・告発したのをきっかけに、勝俣恒久・元会長ら3人の東電元幹部が強制起訴されることが決まったのは昨年7月だった。

 検察官役を務める5人の指定弁護士は、東日本大震災から5年となる今年の3月11日をメドに3人を起訴する見通しだ。そこから始まる長い刑事裁判を後押ししようと、弁護士や文化人、市民運動家らが呼びかけた「福島原発刑事訴訟支援団」が1月30日に発足した。
 
 これまでの経緯をおさらいしておく。2012年6月、原発事故被災者らでつくる「福島原発告訴団」が東電幹部らを業務上過失致死傷罪などで検察に告訴・告発する。しかし、検察は翌年9月に全員を不起訴とした。これを不服とした告訴団の申し立てを受けた検察審査会は14年7月、3人について「起訴相当」と議決。再捜査した検察は翌年1月に再び不起訴としたが、再度の申し立てを受けた検察審査会が3人に2度目の「起訴相当」の議決をしたため強制起訴となることが決まった。

 起訴されるのは、勝俣元会長と、武藤栄・元副社長(原子力・立地本部長)、武黒一郎・元副社長(同)の3人。罪名は業務上過失致死傷だ。検察審査会の議決は、3人が福島第一原発を大きく超える津波が襲来して重大事故が発生する可能性のあることを予見できたのに、必要な安全対策を取ることなく運転を続けたため、大震災による津波で炉心損傷などの事故を起こし、避難を強いられた近くの双葉病院の入院患者44人の病状を悪化させて死亡させるなどした、と認定した。

 発足した刑事訴訟支援団は、この事件に対して「公正な裁判が行われ、真実が明らかになり、問われるべき罪がきちんと追及されるよう働きかけること」を目的に掲げている。福島の原発事故には「人災」との指摘があるにもかかわらず、これまで刑事責任が問われてこなかったためだ。

事故対策を先送り

 活動としては、公判の傍聴・記録と社会への発信、証拠の収集・分析などを想定している。賛同する法律家やジャーナリストらのネットワークを形成したり各地で集会を開催したりして、息長く世論の関心を喚起していく方針だ。年会費1口1000円以上の個人会員も募集している。

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