ビジネスジャーナル > 企業ニュース > アップル、繁栄終焉の兆候…  > 3ページ目
NEW
大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前

文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役

 以下グラフはアマゾンとアリババ、世界最大の小売業ウォルマートの時価総額ランキングの推移です。アマゾンはアリババとウォルマートを抜きましたが、それはもはやアマゾンがネット通販企業の域を超えたという評価を受けた証左です。

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前の画像4

 IT業界でAWSの存在はよく知られていますが、一般的にはまだ広く認知されていません。AWSは主に企業向けのサービスだからです。AWSそのものがエンド・ユーザーに姿を見せることはありません。

 AWSはアマゾンの持つサーバーやソフトなどのインフラ、あるいはプラットフォームを利用し、そこにシステムを構築するためのサービスです。たとえば定額動画ストリーミングでは世界最大のユーザー数を持つNetflixも、AWSを利用しています。しかし、NetflixのユーザーからはAWSの姿が見えることもありません。

 現在、ITインフラを自社で保有するかたちから、アマゾンのようにクラウドサービスを提供する企業のインフラを利用するかたちへ急速に移行しています。なぜなら、そのほうが運用経費も安く、また必要に応じてサーバーのキャパシティなども簡単にグレードアップすることができ無駄がないからです。

 その急成長し始めた市場で、アマゾンはダントツのトップです。各社のクラウド・インフラサービスの四半期売上をみると、マイクロソフト、グーグル、IBM、セールスフォース・ドットコムを合わせても、AWSの売上には届きません。

 日本でも、丸紅をはじめ、リクルート、ファーストリテイリングなどの錚々たる企業がAWS利用に切り替え始めています。おそらく今後はAWSが先行し、死活をかけてマイクロソフトがそれを追う展開になってくるものと思われます。

 アマゾンは成長を牽引する事業だけでなく、高収益を支える成長事業を手にしたのです。しかもそのインフラやプラットフォームを利用する企業が集まり、新しい経済圏を形成し始めたのです。

 以下のグラフは、アマゾンのAWS事業の営業利益と北米、海外を含めたEコマース事業の営業利益の四半期推移ですが、それを端的に物語っています。

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前の画像5

アップルを超える日

 アマゾンの挑戦はAWSだけではありません。音楽ストリーミングと動画ストリーミングの2つを、アマゾンのプライム会員になれば無料で利用できるサービスを開始しました。動画ストリーミングサービスでは、Netflix同様に自社のオリジナルドラマまで提供し始めています。15年にプライムの会員数は前年比51%増加していますが、こういった投資が効を奏しているのでしょう。

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

ビジネスラボ代表取締役。自称「マーケティングの棟梁」

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!