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自分と異なる他者を受け入れることはできるのか 『ディーパンの闘い』が描く難民問題と家族愛

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【リアルサウンドより】

 数々の話題作を抑え、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、ジャック・オディアール監督の最新作である。BBCドキュメンタリーを題材に、人種、宗教、移民問題にスポットを当て、あのコーエン兄弟に「最高!」と言わしめた作品である。フィルム・ノワールの持つ暗さの中にも、優しい紗をまとわせたような温かみを感じる。そして人間の底力を全面に宿し、どのような状況下に置かれようと、生きることに執着する濃く熱い血が、自分にも流れているだろうかと自問自答させられる。

 これはスリランカから難民として、フランスへと渡った偽装家族が、生きていくために奮闘する話だ。スリランカは紅茶の生産地として有名である一方で、内戦が続いている国でもある。内戦で妻と娘を亡くした元兵士ディーパン、女ヤリニ、母を亡くした娘イラヤル。それぞれに何の接点もない赤の他人が、国から逃れるために偽装家族となる。そして三人は、個々の視点からは異質と見えるそれぞれを、自らの中に受け入れ、一つの交点を探りながら、円を描くように少しずつ、本当の家族の形を成していく。

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