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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

シャープ、危機下で何も決断できない最悪の経営者…国、税金でゾンビ企業延命の愚策

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

三洋電機が来た道

 シャープの業容の推移を見ていると、三洋電機の栄枯盛衰を思い出す。三洋は一時年商2兆円、従業員数10万人規模を誇った。それが11年にパナソニックの子会社として吸収され、今では社名も残っていない。シャープも機構案ではいずれ切り刻まれ、事業ごとに別の会社と統合され、名前も残らなくなったであろう。一方、鴻海の支援を受け入れれば、社名やブランドは残るだろうが台湾企業となる。三洋の白物家電部門が中国ハイアールに吸収されたのと同じ構図だ。

 私は15年2月の別の連載「展望!ビジネス戦略」で「赤字転落のシャープ、17年までに消滅の危機」とした。そのなかで、高橋社長のことを「心もとない高橋社長のリーダーシップ」とも酷評した。三洋電機も思い起こせば、解体消滅したときにはジャーナリスト上がりの「けったいな」女性社長が登板して、力を発揮することができなかった。高橋社長も「シャープのけったいな企業文化を変える」として立ちすくんで来てしまったままだ。軽井沢事故の教訓は、「バスが曲がり角に差し掛かったときに不適な運転手が搭乗していると恐ろしい」ということだった。シャープも大転倒しないことを祈る。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)

※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディア・パブリッシング/山田修)として発売中です。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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