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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

住宅ローン、「低金利の今こそ買い」は危険!契約時には金利未確定、支払い額激増も

文=山下和之/住宅ジャーナリスト

住宅ローン金利は融資実行時の金利が適用される

 しかし、これからマイホームの取得を考えている人にとっては、現在の金利が適用されるのではない点に注意しなければなりません。住宅ローンの金利は、申し込み時の金利ではなく、融資実行時の金利が適用されるからです。

 たとえば、すぐにも入居可能な中古住宅や完成済みの新築住宅なら、売買契約を締結するときにローンの申し込みを行い、その後ほとんど間を置かずに引き渡し、融資実行といった流れになります。したがって、現在の金利かそれに近い金利が適用されます。

 それは借り換えの人も同様。2月下旬に契約を行って、融資実行が3月の人であれば、2月より一段と低い金利が適用される可能性が高いでしょう。金利低下メリットを最大限に享受できます。

大規模マンションでは入居が3年先のケースも

 それに対して、新築マンション、特に大規模マンションについては売買契約・ローン申し込みから融資実行までの期間が長くなります。比較的規模の小さい物件でも半年や1年かかるのがふつうですし、メガマンションでは2年先、3年先ということも珍しくありません。これから販売予定の物件をみると、16年4月からの販売開始で、引き渡しは19年6月という大規模マンションもあります。つまり、引き渡しまで3年以上かかるわけです。

 16年2月の金利はメガバンクの変動金利型ローンで0.625%、フラット35(35年返済)で1.48%ですが、19年6月に融資実行を受けるときの金利はさて、いったいいくらになっているのでしょうか。

値段の決まっていない契約に判子を押していいのか

 こうした2年先、3年先引き渡しのマンションを、住宅ローンを利用して買う人は、金利が未確定のまま契約することになります。

 住宅購入時には、住宅だけではなく、住宅ローンも買うことになります。住宅ローンにおいては金利が値段ということになりますが、未完成の物件では、実効金利がいくらになるのかわからないまま、つまり商品の値段が決まっていないまま買い物していることになります。

 これがどれほど恐ろしいことか、図表3をご覧ください。変動金利型ローンを利用して、幸いにも、3年先まで金融緩和策が続いていて、0.625%のままなら毎月の返済額は10万円台ですが、その場合には日本の経済が停滞し、かなり深刻な事態に陥っているかもしれません。3年先まで金融緩和策を続けざるを得ないということは、金利は低い状態でも、賃金は上がらず雇用不安も大きい、そんな環境になっている可能性が高いということです。

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