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マック、ついに売れば売るほど赤字地獄突入か…戦略迷走の末に結局「モス後追い」の醜態

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 ところが、14年の後半ごろからアメリカンテイストのメニューは影を潜め、地域の食材を使った「北海道チーズ月見」や「マックシェイク 紫いも」など、国産メニューを販売するようになった。また今月発売の新バーガーの名前を公募すると発表したが、その仮称は「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー」となっており、これも国産が前面に押し出されている。15年12月期の決算短信でも、「国産食材を使った商品の発売」を経営コンセプトとして明確に打ち出している。

 これは大きな転換だ。大きな賭けでもある。なぜなら、日本マクドナルドが国単位でゆかりがあるのは「日本」と「アメリカ」だけだからだ。すでに「アメリカ」のカードは出し尽くした感があり、今回の「日本」への方針転換で失敗することはできない。何がなんでもこの「国産」でヒット商品を生み出さなければならない。

 しかし、ハンバーガー業界で国産は競合がひしめいている。特にモスバーガーが大きく先行している。モスバーガーで使用される生野菜はすべて国産で、全国約3000軒の農家から新鮮な野菜を仕入れている。02年から「日本の味、地域の素材」を大切にしたご当地メニューづくりをスタートさせており、10年には「モス日本全国うまいものめぐり」と銘打ち、全国を5つのエリアに分けて地元の素材や名物料理を取り入れたメニューを販売している。モスバーガーは国産市場で長い歴史を刻んでいる。マクドナルドが消費者から“モスバーガーの二番煎じ”と突き放されないためには、斬新なアイデアが必要となる。

 マクドナルドは国産のメニューでヒットを生み出し、売上総利益を改善し、最終損益をプラスに転じさせることはできるのか。賽は投げられた。サラ・カサノバ社長の手腕があらためて問われる。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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