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“猛者”凱旋――「ディープインパクト以上」歴史的名馬の復活に、競馬界が揺れる!?

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 今週、競馬界がざわついている。

 つい先日、今年最初のJRAのG1が終わったばかりだというのに、むしろ今週末こそ「本番」といった空気に包まれているのだ。そして、そんな競馬界を取り巻く関係者の視線は、一頭の馬の一挙手一投足に注がれている。

 昨年の日本ダービー制覇以来、約9か月の沈黙を破って始動を迎えたドゥラメンテだ。

 昨年は、同世代の馬たちをまったく寄せ付けない圧倒的な強さで、皐月賞と日本ダービーの2冠を達成。その際にJRAが付けたレーティング(競走馬の能力を数値化したもの)は、ディープインパクトやオルフェーヴルを上回る「史上最強」というものだった。

 言い換えればドゥラメンテは、絶対的な強さを誇っていた歴史的名馬でさえ凌駕する評価を受けていたということだ。馬名はイタリア語の「荒々しさ」という音楽用語から来ているが、その名に違わぬ“猛者”っぷりを見せつけたといっていい。

「三冠確実」という声が上がる中、故障により残念ながら年内は休養となったが、いよいよ今週末28日の中山記念(G2)で復活の時を迎える。まるで日本ダービーや有馬記念が週末に控えている時のような、独特の“ピリピリ感”に包まれた現場を走り回るベテラン記者に聞いた。

「古い話ですが、トウカイテイオーが古馬になって故障から戻ってきた雰囲気を思い出しました。当時もメジロマックイーンなど強い馬がいましたが、関係者全員が『トウカイテイオーが一番強い』とわかっていましたからね。王者の凱旋というか、独特の空気ですよ」

 90年代にディープインパクトと同じ無敗の三冠馬・シンボリルドルフの息子としてデビューしたトウカイテイオー。皐月賞と日本ダービーを無敗で制した、そのパフォーマンスは「皇帝」と称された父を超えるといわれていた歴史的な名馬だ。

 確かに状況としては、かつて皐月賞と日本ダービーを圧勝した後にドゥラメンテと同じく故障に見舞われ、約10か月の休養となったトウカイテイオーの復帰時に似ているかもしれない。

 ただ、トウカイテイオーは復帰戦を楽勝し、その年のジャパンカップを勝って改めて「最強」を証明したが、肝心のドゥラメンテはどうだろうか。

「陣営は『まだ身体が重いかも』と言っています。骨折の休養明けなので慎重に調整されていますし、日本ダービーの時よりも30kg近く重いそうです。いきなり全開ではなく、8分ぐらいのデキとみるのが正しい判断でしょうね」(ベテラン記者)

 海外遠征も視野に入っているドゥラメンテくらいになれば、当然ながら目標はまだ先。今週の中山記念はあくまで“叩き台”に過ぎないのかもしれない。そうなると馬券を買う競馬ファンとしては、今回は黙って応援が正解なのか……。

 ただ、前出の記者の話ではそうでもなさそうだ。

「実は先日、昨年の10月以来のレースで京都記念を勝ったサトノクラウンも、ドゥラメンテと同じ厩舎の馬なんです。でも、あの時も調教は全然ダメで陣営のコメントも慎重でした。けれどフタを開けてみれば3馬身差の楽勝でしたからね……」(同)

 いくらドゥラメンテがまだ全開ではないとはいえ、8分の仕上がりならば持ち前の能力だけで勝ってしまうかもしれない。ただ、復帰戦には同世代でトップクラスの能力を持つリアルスティールや、イスラボニータ、ロゴタイプといったG1馬の姿も……。

 そんな強豪を8分の仕上げであっさり負かしてしまうのなら、ドゥラメンテは間違いなく今後の競馬界を背負って立つ存在になるはずだ。しかし、常識的には厳しいという意見もあって当然と思われる。

 果たして史上最強王者の復活なるか、それともあの強さは“幻”として終わってしまうのか――。いずれにせよ、今週は競馬界の主役ドゥラメンテから目が離せない。