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「ココロに効く(かもしれない)本読みガイド」山本一郎・中川淳一郎・漆原直行

宇宙飛行士は、宇宙でカレーもラーメンもサバ味噌も食べている

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『宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか』(田島眞/共立出版)
【今回取り上げる書籍】
宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか』(田島眞/共立出版)

 いいかげん、疲れてくるわけですよ。

「年収10倍」とか「大富豪がかくかくしかじか」とか、「ナントカが9割」とか「ホニャララる勇気」とか、「なんちゃら思考」とか「あーだこーだ戦略」とか、「絶対儲かる!」とか「成功する!!」とか、タイトルでそういった煽りをカマすような本はもうね、正直お腹いっぱいなワケです。

 編集者・ライター稼業を営みつつ、“お気楽系ビジネス書ウォッチャー”なんて名乗ったりもしているので、主にビジネスパーソンを中心読者に想定したであろう書籍をこまめにチェックし、とりわけビジネス書・自己啓発書界隈を生温かく観測し続ける日常を送っております。

 まあ、自分の興味関心事でもありますし、いまでは仕事でもありますから、そうした営みに不満はございません。むしろ喜びや、やりがいを覚えてもいるくらいです。

 ただ、皆さまご承知の通り、ビジネス書の中には香ばしい内容のものもたいへん多くございまして、読んでいるだけでモヤモヤしたり、ムズムズしたり、クラクラしたり、イライラしたりするような、破壊力抜群の本も少なくないのですね。タイトルだけで嘆息が漏れ、キラキラ笑顔の著者近影が帯に出ているだけで裏返したくなる──まあ、そういう本や、ビジネス書作家も存在するのです、個人的に。

 ときには、そうした香ばしい本にツッコミを入れるべき役どころの僕が、つい疲れていたりすると、うっかり取り込まれそうな──ミイラ取りがミイラになりそうな──瞬間を経験することもあるので、油断なりません。

 要するに何が言いたいかというと、偏った読書をしているとロクなことにならない、ということだったりします。いろいろなジャンル、斬り口の本に触れてバランスを取らないと、自分の得意領域に関連した本であっても食傷気味になったり、視点が偏ってしまったり、著者に半ば洗脳されてカモにされたりする可能性がある。平たく言うなら、疲れる読書、つまらない読書なんて繰り返すのは不健康だし面白くないよね、ということです。

非常にレアな一冊


 はい、またぞろ前置きが長くなりましたが、いいかげん本題です。今回紹介する『宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか』は、極めて良質な雑学知識を提供してくれる一冊であり、胡散臭い自己啓発系ビジネス書の毒気に触れて荒みきってきた僕の心をリセットしてくれる、一服の清涼剤となった本です。