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橋本之克「カモられない!コミュニケーション」

あなたが電力自由化でカモられないために…なぜ電力会社を替える/替えない人に二分?

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電力供給の仕組み(「資源エネルギー庁 HP」より)

電力自由化で何が起きるか


 電力小売が全面自由化される。家庭で使う電気は現状、関東エリアでは東京電力から買わねばならず、関西なら関西電力からしか買えないなど制限されている。それが今後は自由選択となり、7.2兆円ともいわれる市場が開放される。

 すでに東京ガスが参入を表明し早くも東京電力との競争を繰り広げるなど、各地で電気料金の引き下げ競争が始まっている。KDDI(au)やソフトバンクなどの異業種企業も参入を表明した。今は既存の企業と新規参入企業が入り乱れ、大きな変革が起きる前夜だ。

 自由化における大きな狙いは、企業の競争を促し経済活動を活性化させることだ。過去を振り返ると「金融の自由化」もそうだった。1990年代に起こった金融ビッグバン以前は、「護送船団方式」により金融機関同士の本格的な競争は少なかった。サービスや商品も横並びが当然であり、利用者にとってわかりにくく、利用しにくいものも多かった。

 金融ビッグバンによって13行あった都市銀行は、3つのメガバンクへと淘汰されている。またネット銀行などの新しい便利なサービスが登場し、利用者メリットは格段に向上した。企業間の競争による産物である。

 金融に限らず自由化によって一般的には、利用者メリットは拡大する。たとえば料金の低下や、サービスの多様化のようなかたちである。競争を強いられる従来型の企業には厳しいが、利用者にとって自由化はさまざまなメリットを得られるチャンスだ。

 現在注目されているエネルギーの小売自由化は、電力が2016年4月から、ガスは17年に本格始動する。一般の家庭でも自由に、好きな会社から電力やガスを買うことができるようになるわけだ。4月を待たずしてすでに、値引き合戦など顧客を囲い込むための前哨戦が始まっている。

人間の心理バイアスが自由化を左右する


 しかし顧客である生活者は、どうも「様子見」をする傾向があるようだ。さまざまな調査では、生活の重要インフラである電力やガスの購入先を、新規参入企業に簡単に変えることに抵抗を感じる人が多いという結果が示されている。生活者の立場なら本来、自由化のメリットを享受するために、自由化の進展に積極的になるべきであろう。企業が選ばれるための工夫を凝らすことで、より便利でより安いサービスを受けられるのだから。