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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

除菌効果謳う洗剤や石鹸も不十分、生ガキや吊り革も危険…家や会社でもマスク着用

文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長
除菌効果謳う洗剤や石鹸も不十分、生ガキや吊り革も危険…家や会社でもマスク着用の画像1「Thinkstock」より

 冬になると毎年激増する嘔吐、下痢などの急性胃腸炎。夏場の食中毒が食べ物にあたることで発生するのに対し、冬場の急性胃腸炎はウイルスが主な原因で起こります。ウイルス性急性胃腸炎の主な症状は以下のとおりです。

・突然の嘔吐、下痢
・1~2回の嘔吐の後、下痢が始まる
・最初の24時間がもっとも辛く、大体3~4日程度で回復する。
・熱は出ないか、出ても37.5度程度
・普段便秘症の人は嘔吐、下痢症の人は水のような便を発症する傾向がある

 複数の症状を伴うこともあり、ひと冬に2度、3度と感染することも少なくありません。

 最近はウイルスを撃退するさまざまな抗菌グッズが売られていますが、いくらそういった商品を使用しても、残念ながらウイルスの感染を100%防ぐことは不可能です。大切なのは、「ウイルスに触れない」ことに力を注ぐよりも、「ウイルスに負けない環境・体づくり」をすることです。次にご紹介する5つの方法を、ぜひ参考にしてください。

(1)手洗いは石鹸を使い丁寧にすすぐ

 ノロウイルスの多くは、手についたウイルスが口に入ることで感染を引き起こします。そのため、手洗いでウイルスや汚れを落としておくことが非常に重要です。最近は「薬用」と表示してある石鹸やハンドソープが多く売られていますが、それらを手につけただけではウイルスは排除できません。石鹸やハンドソープを手にとって泡立てたら、指の間、指先、手の甲、手首や爪までしっかり洗いましょう。その後、流水で石鹸のぬるぬる感が完全になくなるまで手をすすぐと、ウイルスの大半を洗い流すことができます。

(2)外出時も家の中でもマスクを着用

 ノロウイルスはほとんどの場合が経口感染です。たとえばノロウイルスに感染している人が持った吊り革を触り、その手を自分の口につけてしまうと、それだけで感染してしまうのです。そのため、こまめな手洗いはもちろんですが、ウイルスについた手を口に運ばないために、マスクをするのも効果的です。

 風邪のウイルスを防ぐためには外出時のマスクが基本ですが、ノロウイルスを防ぐためには、家の中やオフィスでもマスクを外さないことがおすすめです。なぜなら、仕事や家事をするなど無意識に行動しているときほど、人は手を口元に持っていきやすいのです。マスクは外出時だけでなく、できるだけ室内でも外さないようにしましょう。

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「ガンにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。

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