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中村芳平「よくわかる外食戦争」

感動的に美味いビールの店が開店!地獄の居酒屋業から、ついにあの大手チェーンが脱却

文=中村芳平/外食ジャーナリスト

 こう続ける。

「お客様から仕上げにステーキ(2分の1ポンド=2800円)の注文が出れば成功だと見ていましたが、フタを開けてみるとステーキ人気は非常に高く、リブアイ(米国産)1ポンド4800円、イチボ(国産)1ポンド4800円などが計画を上回る売れ行きです。開店2カ月で見たところでは宴会メニューやステーキの注文が多く、客単価は4800円程度で推移しています」(同)

カギは訪日外国人の集客

 THE DAD BODは席数は203席(カウンター9席、VIPルーム2室、個室5室、パーティースペース100席となっている。

 筆者は昨年12月、開店前のレセプションに出席し、コロワイドMD社長の四方田豊氏にインタビューした。

「大型のビアホールへの業態転換は、注文率100%を超えるビールの見直しに主眼があります。この新型ビアホールは必ず成功すると見ています。2号店の展開などは検討していますが、まずはこの店を成功させ、収益性を安定させることが先決です」(同氏)

 コロワイドMDは主力の「手作り居酒屋 甘太郎」や「北の味紀行と地酒 北海道」は200~400席もある大箱が多く、11年3月に発生した東日本大震災後、宴会需要の激減などで苦戦してきた。コロワイドはこの大箱の居酒屋を立て直すために、訪日外国人の集客に取り組んできた。

 きっかけは北海道洞爺湖のザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパで、08年7月7日~9日に開催された「北海道洞爺湖サミット」だった。コロワイドは居酒屋の北海道などを買収、北海道にも大型店を展開していたが、洞爺湖サミット効果で来日した外国人観光客が北海道に来店し特需に沸いた。

 これを契機に国内外の旅行代理店に営業をかけ、訪日外国人客を呼び込む作戦を展開するなど、さまざまな努力を続けた。ちなみに、北海道の最大店舗である東京・新宿アイランドタワー店は700席(宴会最大人数240名)の大箱だが、訪日外国人客に人気が高い。

 コロワイドは、15年度に約30万人の訪日客を集める見込みだ。この数字は、和食・寿司のがんこフードサービス(大阪市)に次ぐ規模とみられ、居酒屋としては破格の集客数である。修学旅行生にランチ・夕食を提供するなどの集客も実施している。このような営業戦略が大ヒットし、コロワイドは居酒屋業界のなかで「最も勢いのあるチェーン店」と評価されているのだ。

中村芳平/外食ジャーナリスト

中村芳平/外食ジャーナリスト

●略歴:櫻田厚(さくらだ・あつし)

1951年、東京都大田区生まれ。高校2年生の時に父が急逝し大学進学を断念、アルバイトして家計を助ける。都立羽田高校卒業、広告代理店勤務。72年に14歳年上の叔父(モスフードサービス創業者・櫻田慧)に誘われ「モスバーガー」の創業に参画。フランチャィズ(FC)オーナーなどを経て、77年に同社入社。直営店勤務を経て教育・店舗開発、営業などを経験。90年、初代海外事業部長に就任、台湾の合弁事業の創業副社長として足掛け5年半でモスバーガーを13店舗展開。1985年の株式上場と244店舗展開(16年9月末)、そして同社の海外展開の基礎をつくった。慧氏は97年にくも膜下出血で急逝、享年60。櫻田氏は98年社長に就任、14年会長兼社長に就任し、今年6月、社長を常務取締役執行役員の中村栄輔氏(58)に譲った。社長交代は18年ぶりのことだ。櫻田氏は中村氏に国内事業、新規事業を任せ、海外事業に全力を注ぐ構えだ。「モスバーガー」を世界のブランドにするという、夢の実現に向かって挑戦しようとしている。

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