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荻野洋一の『無伴奏』評:政治的季節を舞台とした、性愛と喪失の物語

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【リアルサウンドより】

 黒板の前に立ちはだかった成海璃子が、おもむろに制服を脱ぎ始める。なまめかしい下着姿になり、下着からこぼれ落ちる乳房も気にせず靴下も脱いだ彼女は、クラスルームで「制服廃止斗争委員会」の設立を高らかに宣言する。時は1969年。学園紛争が激化した政治的季節、東北・仙台の県立第三女子高校におけるそんな1コマから、映画『無伴奏』は始まる。

 『無伴奏』は、直木賞作家・小池真理子による同名の半自伝的小説の映画化で、原作者の高校時代の分身である響子を、成海璃子が演じる。共演は池松壮亮、斎藤工。そして監督は矢崎仁司監督。水川あさみ、木村文乃ダブル主演の『太陽の坐る場所』(2014)で、やはり女子高校生の複雑な心理をみごとに描き尽くした映画作家である。

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