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楽天、失速鮮明で危機!ヤフーとアマゾン、怒涛の攻勢であっさり逆転、売上トップ交代目前

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ライバルたちが楽天の背中に迫ってきた

 ヤフーは19年までに楽天の流通総額を追い抜く目標を掲げ鼻息が荒い。13年秋に出店料や販売手数料を無料にした。その結果、15年12月末時点の店舗数は37万店となり、楽天の4万店を大きく引き離した。ヤフーの15年4~12月累計のEC流通総額は1兆円を超え、楽天の背中が見えてくるところまでに追い上げてきた。

 ネットオークション「ヤフオク!」が主力だが、通販サイト「ヤフー!ショッピング」にも力を入れている。昨秋以降、テレビCMやヤフーのサイトを大型キャンペーンが埋め尽くした。「全員まいにち!ポイント5倍」など、出店企業の商品の割引や買い物で使えるポイント「Tポイント」の大幅還元を矢継ぎ早に打ち出し、これらの大規模キャンペーンが奏功して15年10~12月期のショッピングの流通総額は1453億円と41.4%伸びた。

 これに楽天もセールをたびたび開催して応戦したが、10~12月期の流通総額の伸び率は10.9%にとどまった。そこで楽天は、「共通ポイント」の魅力を高めて客を引き寄せることにした。16年1月から楽天市場での商品購入時に、最大で従来の7倍のポイント付与を始めた。自社グループのクレジットカードや通信サービス、専用アプリなどを利用するほどポイントを加算する仕組みだ。

 これまで楽天市場では通常、購入額の1%をポイント付与していたが、今は楽天カードの利用で4倍、楽天市場アプリで5倍、楽天プレミアムカードで6倍、楽天モバイルを利用すると7倍のポイントを上積みする。追加するポイントは販促目的として楽天が負担する。金融や通信関連の事業を持つ強みを生かし、ポイントで顧客の囲い込みを狙っている。

 ヤフーがネット通販ですべての購入客を対象にポイントを従来の5倍にする期間限定のキャンペーンを実施して成果を上げたことから、楽天は楽天カードで買い物をするとポイントがさらに増える仕組みをつくって対抗することにしたわけだ。ポイント合戦はとどまるところを知らない。

 他方、アマゾンは楽天の牙城であるモールに攻め込んだ。自社で仕入れて売る直接販売が主力だったが、モールの店舗数を急速に増やした。15年末時点でアマゾンのモール店舗数は18万店まで拡大し、楽天の4万店を大きく上回った。楽天とアマゾンの両方に出店している店舗も増えている。

 アマゾンは有料会員の獲得に力を注ぐ。食品や日用品の品揃えを増やすだけではなく、音楽や動画を好きなだけ視聴できるサービスを追加した。ヤフーや楽天のポイント戦略と一線を画している。

 米アマゾン・ドット・コムは世界で10兆円以上を売り上げ、日本事業の15年12月期売上高は前期比4.4%増の82億6400万ドル。平均為替レート(14年105円、15年120円)で換算すると前期比19.4%増の9916億円となり、楽天の流通総額の伸び率を上回る。アマゾンの日本事業の売上高は10年から15年の5年間に2.3倍になった。

 楽天はネット通販で国内トップに君臨してきたが、明らかに成長が鈍化している。背中を追いかけてきたアマゾンやヤフーの足音が近づいてきた。
(文=編集部)