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鈴木貴博「経済を読む目玉」

髪のボリュームが多く見えるシャンプー、なぜ売り切れ続出?老化防止市場に異変

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

 私はアメリカで白いヒゲを黒くするヘアカラーのような商品を見つけて愛用している。といっても面倒なのでたまに使う程度だが、あごひげが黒くなるだけで急に若く見えるから不思議なことだ。

 同様に金子眼鏡店というレトロな眼鏡屋さんの眼鏡フレームをいくつか買いそろえた。これは目尻のしわがどうにも目立つようになってきたからなのだが、レトロな眼鏡をかけると、それをうまく隠すことができるのだ。

 化粧品業界では、目尻に塗ることで数時間、表面が張るようになってその間だけしわを目立たなくすることができる商品も売られている。本質的な解決にはつながらないが、友人と会っている間だけしわを消すことができるという意味では実用品である。

 世の中が高齢化していくなかで、私も含め、高齢者は高齢者なりに時の流れに逆らって生きたいと思うものだ。これまでサプリメント(健康補助食品)にお金を使ってきた世代が、もうそれだけでは衰えが隠せないと感じ始めている。もちろんサプリのような(2)の商品は使い続けるのだが、衰えを隠す(4)の商品は、それなりに使ってみると手品のようで楽しい。

 つまり髪染め、ウィッグ、帽子、といった髪まわり、つけまつげや眼鏡のような顔の印象を変える小物など「劣化を隠す」市場に落ちるお金が本格的に増え、ビジネスチャンスの位置がシフトしてきた。その兆しを感じることができたのが、冒頭の「緑色のシャンプーの品切れ事件」だったというわけなのだ。
(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

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