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国、自治体、東電が巨額損失!大規模電力事業者が倒産、電力自由化に早くも暗雲

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「日本ロジテック協同組合 HP」より

 4月1日から始まる電力小売りの全面自由化を控え、ごみ処理場などの発電施設をもつ自治体に注目が集まる。工場などの大口需要家向けに電力を販売する新電力が、仕入れ先として自治体に着目したからだ。自治体の多くは既存の電力会社に売電してきたが、より多い収入を求めて入札を実施し、新電力に売電するようになった。自治体はごみ処理の廃熱を利用した廃棄物発電を収入増につなげるというソロバンを弾いたわけだが、実際はそんなにうまい話ではなかった。

 新電力大手・日本ロジテック協同組合が、東京地裁に自己破産の手続きを取る見通しとなった。東京商工リサーチによると負債総額は2015年3月末時点で71億6061万円。さらに膨らむ可能性がある。

 日本ロジテックに販売した電力の代金を回収できない全国の自治体や広域事業組合は27団体で、金額は40億円近くに上る。新潟県が8.9億円、横浜市が6.9億円、名古屋市が4.2億円、広島市が3.4億円、静岡市が1.6億円、熊本市が2.2億円などだ。

 国も再生可能エネルギーの促進費(賦課金)2億円、東京電力など大手電力会社も送電網の利用料(託送料)を回収できていない。東電に対しては18億円を滞納している。

 日本ロジテックは07年、千葉県銚子市の漁業会社12社が組合員となり発足した事業協同組合だ。外国人実習生の受け入れ窓口となり組合員向けに斡旋していた。10年に経済産業省から特定規模電気事業者(新電力)の認可を受けて、大口需要家向けの電力小売りに参入した。1口10万円で出資金で募った組合員に日本卸電力取引所から一括購入した電力を安く提供した。

発電に乗り出し失敗

 東日本大震災以降、相次ぐ原発の稼働停止を受け、国内の電力市場が急変。再生可能エネルギー特別措置法に基づく再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の開始を機に、日本ロジテックは自治体などの調達入札に積極的に参加した。

 12年3月期の売上高は組合員向けの4.3億円にすぎなかったが、全国の自治体や企業向けに契約を伸ばし、15年3月期の売上高は555.8億円と急伸した。新電力の中で5位のシェアを持つまでに急成長して、出資する企業はホテル、旅館など640社、職員数は70人に膨れ上がった。

 日本ロジテックは自社発電所を持たず、余剰電力が売買される日本卸電力取引所からの購入のほか、ごみ焼却場の廃熱を使って発電している自治体からの調達に力を入れた。余剰電力を購入し、安く再販売するビジネスモデルのため利幅はもともと薄かった。