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住宅ローンの常識を破壊?名門企業をV字回復させたプロ経営者の「シンプル&大胆」な手腕

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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–返済期間を考えれば、確かにそうですね。

浜田 生命保険と同じぐらい長期にわたる商品にもかかわらず、その期間に、我々は何もやってきませんでした。お客様は、住宅ローンを借りた後も家具や電化製品を揃えるし、子供の学校や塾を選んだり、さらに子供が独立したらリフォームしたり、バリアフリーにしたり……。あるいは、車の買い替えにオートリースが必要になるかもしれません。その家を売るかもしれないし、リバースモーゲージ(自宅を担保にするローン商品)を借りるかもしれません。

 住宅ローンを借りてから35年、最長で50年、さらには人生を終えるまで、さまざまなイベントがあるのに、我々は「住宅ローンを販売する」という一発勝負で、その後はなんのサービスも商品も提供していませんでした。

 それはおかしいだろう。上流でお手伝いすることは山ほどあるし、下流に行っても、35年や50年にわたってお手伝いすることは山ほどある。だから、上流と下流に手を伸ばしていこう。私が考えた事業展開を一言で表せば、そういうことです。

【フラット35】の実績でナンバーワンに

–御社に限らず、住宅ローン業界全体的に、そういう視点がなかったのでしょうか? どこも気づかなかったのでしょうか?

浜田 気づかなかったというより、市場が拡大していたので、住宅ローンに特化することで、夢や希望やビジネスモデルを考えずとも、粛々と生きていくことができたのです。

 我々も、【フラット35】を取り扱って事業を伸ばし、ナンバーワンになりました。毎年、新たに約2万人に合計5000億円超の住宅ローンを貸し付け、融資実績は累計で約3兆円に達し、住宅ローンの融資額では、メガバンクを含めて7位前後にランクされています。しかし、これから先は、そんなに甘くありません。

–ナンバーワンになることができたのは、フランチャイズ(FC)展開による営業基盤が大きかったのですか。

浜田 そうです。他社に先駆けて【フラット35】の取り扱いを始めたことに加え、FC展開によって、販売網がものすごく強くなりました。現在、FC店は168店舗で、今後も増やしていく予定ですが、200店ぐらいが適正だと考えています。FC店の経営のサポートには、FC本部の数十人が当たっていて、営業、営業管理、事務などの支援や研修などを行っています。

–FC店の中には、事業領域を上流から下流まで拡大することに対して、意識を切り換えられない店舗もあるのではないでしょうか。

浜田 これは、本部主導で進めて、FC店にはご理解いただくしかありません。ただ、上流のサービスも下流のサービスも、FC店に負担が発生することはありません。上流から下流までの取り組みは、直営店も交えて行っていきます。

–直営店は、どのぐらい増やす方針ですか。

浜田 年間数店舗のペースで考えています。住信SBIネット銀行の変動金利の商品の取り扱いも始めたのですが、この商品は、銀行代理業者である直営店でしか取り扱えないのです。ただし、最初から過剰な投資をして、直営店を大幅に増やすつもりはありません。

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