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生まれてから7年間“監禁”されていた少年は、世界とどう向き合うのかーー『ルーム』が描く成長物語

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【リアルサウンドより】

 同じベッドで眠っていた母親と子供が目を覚ますと、いつもと同じ朝が始まる。歯磨きをし、軽い運動をし、子供は部屋中の物に朝の挨拶をする。この子供—ジャックはこの日5歳の誕生日を迎え、母親とともにバースデーケーキを作る。一見すると、どこにでもある普通のアメリカの家庭の光景に見えるが、彼らはこの6畳ほどの広さしかない、狭い部屋から出ることができない。天井には天窓がひとつあるだけで、壁面には窓がひとつもなく、寝室もキッチンもリビングも、風呂場やトイレさえもこの密室の中に凝縮されているのだ。

 やがて母親は、ジャックに語る。7年前に誘拐されて、それから一歩も部屋の外に出ていないということ。そして、この部屋の外には広い世界が拡がっているのだということ。生まれてから5年間、部屋の中しか知らないジャックにとっては、何が本物で、何が偽物であるかも知らない。天窓に張り付いた枯葉が、「緑色ではないから葉っぱでは無い」と言い切るほどである。

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