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精霊のような老婆に導かれし公営住宅の暮らしーー20代女性監督が撮った『桜の樹の下』の魅力

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【リアルサウンドより】

 満開だった桜は全国に吹き荒れる雨風ですっかり散ってしまうのだろう。思えば日本という国は、常にこの花びらとともに記憶を紡いでいくのを運命付けられているかのよう。人生の節目節目に桜が咲いて、そして散る。笑ったり泣いたりしながら、ふと気がつくとまたいつしかぐるりと時がめぐって桜の季節。当の私たちは定点観測的に桜を見つめているつもりでいるが、実はじっと見られているのは私たちの方かもしれない。

 そしてちょうどこの桜が咲き誇る(あるいは舞い散る)時期に一本の映画が公開を迎えた。それが『桜の樹の下』。山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され話題になった作品である。これがとても素晴らしく、観客の表情を知らず知らずのうちに笑顔にしてしまう魅力に満ちていた。おそらくスクリーンの側から見れば、客席が笑顔で満ちていく様子は桜前線の到来のようにも見えるはず。

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