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『さざなみ』はなぜ心理ドラマの傑作となり得たか? 女優シャーロット・ランプリングの“魔力”

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【リアルサウンドより】

 この世には、女優シャーロット・ランプリングがいなければ成立しない映画というものがある。彼女にベルリン国際映画祭女優賞を渡し、初のアカデミー女優賞ノミネートに送り出した、この『さざなみ』もそうであるには違いない。ただし本作は、ランプリングの天才性に頼り切るのでなく、彼女と共鳴するがゆえ、近年屈指の傑作心理ドラマとなっている。


 その点では、フランソワ・オゾン監督のミューズとなることが決定された2000年の『まぼろし』を思い出してもいい。ヴァカンス先のビーチで忽然と姿を消した夫をいつまでも待ち続ける妻の痛ましい姿を描いた『まぼろし』と、45年間連れ添った夫の行方不明だった元恋人の遺体が発見されたことで愛の危機に晒される妻の心の『さざなみ』。これらが密に関係しているとは言わないが、いずれにおいても、シャーロット・ランプリングはどこまでも「耐える」人として存在する。

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