NEW

なぜ千葉大学出身者に猟奇事件犯が多いのか?超一流手前、微妙な位置付けの挫折感

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
千葉大学医学部本館(「Wikipedia」より/Hasec)
 面識のない女子中学生を誘拐して2年間にわたり監禁していた千葉大生が逮捕された。


 千葉大出身者の犯罪といえば、2007年春に発生した外国人英会話講師殺人事件を想起する方も多いだろう。犯行後、長期間逃亡生活を続けた容疑者の手記は書籍になり、映画化もされた。さらに古くは千葉大女医殺人事件では、犯人は夫で当時、千葉大学の医局員だった。

 もちろん有名大学の学生やその関係者が犯罪に手を染めるのは珍しいことではない。これ以前にも、名古屋大学の女子学生が不可解な殺人事件を起こしている。インテリの犯罪は世間の耳目を集めやすいためか、無名大学の同様のケースと比較すると、マスコミにより大きく扱い、集中的に報じる傾向がある。

「千葉大は首都圏にある有力国立大学のひとつであり、地元の信用も厚い。今回の事件を受けて来年難易度が大きく下がるようなことは考えづらい」(予備校関係者)

 ただ、不幸な偶然が重なったと考えても、それぞれの事件が実に猟奇的であるのは気になる。一般に大学の関係者、特に学生が引き起こす犯罪はつまるところ「若気の至り」で説明できる種類のものが多い。

 そこで改めて千葉大を調べてみると、横並び、均質のイメージが強い国立大学のなかでは、個性の強い、さらにいえば異色の大学であることがわかった。

多彩な学部構成


 まず学部構成が多彩である。医学部、薬学部はもとより、看護学部や農学系のカテゴリーに入る園芸学部もあり、10学部を擁する。近隣にある国立総合大学で志願者層が競合する横浜国立大学や埼玉大学がそれぞれ文理系の4~5学部に留まっているのに比べて明らかに多い。キャンパスも筑波大学、横浜国立大学、埼玉大学などが単一であるのに対して、千葉県下に4カ所を構えている。

 医学部といえば国公私立を問わず、高い難易度、競争倍率から大学の金看板になるものだが、千葉大学の場合は特にその傾向が強い。全国の受験生が集中する一都二県の国立総合大学で医学部を設けているのは、東大と千葉大の2校だけである。

 また、戦前の官立医科大の流れを汲む千葉大学医学部は、人事面で東大医学部出身者の強い影響下に置かれ、別院や出島になりがちな首都圏の国公立大学医学部のなかでは、比較的自主性を保っているとされる。

 本分の教育で千葉大学が脚光を浴びたのは、1998年に導入した飛び入学制度であろう。理工系の分野で優れた能力をもつ高校生を対象に2年生でも受験を可能にしたもので、既成の「6334制」の壁を破るものとして大いに話題を集めた。