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中沢光昭「路地裏の経営雑学」

新卒で有名企業に入ると、なぜその後の転職や生涯所得で大きく「有利」なのか?

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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 しかし、こうした「もしいい人材がいれば採用します」「採れたら採ります」というスタンスは、あまり受け入れられません。社内において人事部は年度計画で立てた採用計画を達成したのかを重視され、担当部門は人材採用の有無にかかわらず売上目標・予算の達成を求められます。さらに、人材エージェントからは「選考プロセスが曖昧だと応募者数が減ります」「しつこく何度も応募者を面接で呼び出すと、インターネット上で批判を書かれ今後の応募に支障が出ます」などと言われ、なるべく型通りに採用プロセスを進めて「今年の採用枠」を埋めることが目的になっていきます。

 すると確信が持てないまま誰かを採用しなければならないため、結果的にハズレの確率は小さいだろうという理由や、新卒採用で学歴が基準になって書類選考が進められていくのと似たような理由で、選考対象者が新卒で勤めた会社や、現在の所属企業のネームバリューがモノを言うようになってきます。大手総合商社、大手証券会社、メガバンク、大手製造業などの経歴があると、そこで何をしていたとか、何を考えていたとかは、本人が思うほどには関係なく選考が進められていきます。

 逆に無名企業にしか所属したことがないと、その逆の流れに乗せられてしまいます。どんなに本人ががんばっていても、書類で相当にわかりやすく簡潔にアピールできていないと、なかなか面接にも呼ばれません。

 またそうした採用する側の判断が、面接候補者を大量のエントリーから絞っていくことにおいて結果的にそんなに誤りではないこともあります。鶏と卵の話でもありますが、新卒で人気企業に入っているということは、魅力がある人である確率が高いのが実態です。

なぜ有名企業出身者は転職において有利?

 実際に人間の力量はそれほど大きくは変わらなく、働き始めてある程度時間がたって一所懸命やっていたら、結果を出せる力量を何かしら蓄えていきます。ただし、さまざまな仕事をする機会とどう出合うかか、どのような経験を積むか、継続的に気持ちを切らせずにがんばり続けられるかによって、結果に差が出てきますし、そこから得られる知見も変わっていきます。その点、最初に有名企業に入っていると、転職の機会が幅広く得られるために、その後の仕事人生において機械の獲得という点については有利になると思われます。

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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