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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

ココイチ廃棄カツ横流し事件、真相は闇のまま調査終了か…7割が身元不明の不気味さ

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

 ポイントは3つあり、その1つが電子マニフェストの機能強化だ。もともと産業廃棄物管理票(マニフェスト)の制度は、排出事業者が自分で出した産業廃棄物について、排出から最終処分までの流れを一貫して把握・管理し、排出事業者としての処理責任を果たすための仕組みだ。

 ところが今回、排出事業者の壱番屋はマニフェストによって最終処理の確認をしたが、ダイコーが「処分終了した」旨のマニフェストの虚偽報告(の疑い)をし、裏をかかれた。マニフェスト制度は事実上、いわばザル法だったことになる。

 なお、マニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストの2種類があって、排出事業者がどちらかを選ぶ。電子マニフェストはマニフェストの記載内容を電子化し、排出業者と収集運搬業者、処分業者(中間、最終)の3者が情報処理センター【編注5】を介したネットワークでやり取りする仕組みだ。ダイコーの場合、壱番屋とは電子、それ以外では電子と紙のいずれかが使われた。

 再発防止策としての電子マニフェストの機能強化とは何か。これは虚偽報告防止のために、例えば産業廃棄物の委託量と処分量が一致しないなど、記載内容に不自然な点がある場合、情報処理センターで不正の検知が可能な情報処理システムの導入などを検討するという。

抜き打ち検査頻度高め、転売不能のかたちで廃棄

 再発防止策の2つ目は、廃棄物処理業者の透明性と信頼性の強化だ。そのためにまず監視体制の強化策として、以下を挙げている。

(1)都道府県に対し、一定頻度の抜き打ちの立入検査など監視強化の取り組みを通知

(2)都道府県向けに、食品廃棄物の不正転売を防ぐ立入検査マニュアル策定の検討

 再発防止策の3つ目が、以下の排出事業者対策だ。

(1)排出事業者責任の徹底のための処理状況の確認や、適正な処理料金による委託などに関するチェックリスト作成

(2)特に食品関連事業者に対しては、食品ロスの削減と共に、やむを得ず食品を廃棄する場合、商品として転売できないようにするなどの適切な処置を要請

(3)関係事業者の実態調査などをベースに、不正転売防止のためのガイドライン(農林水産省と連名)をできるだけ速やかに策定

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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