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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

熊本地震の家全壊続出でリスク露呈!全壊でも支援金は3百万円、耐震工事で百万円の助成金も

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
熊本地震の家全壊続出でリスク露呈!全壊でも支援金は3百万円、耐震工事で百万円の助成金もの画像1熊本地震、益城町で大きな被害(写真:つのだよしお/アフロ)

 4月14日以降に九州地方を襲った巨大地震で被災された方に、心からお見舞いを申し上げます。

 2016年は東日本大震災の発生から5年となるが、住み慣れた我が家を失ったまま、今でも仮設住宅暮らしを続けておられる方も多いという。今回の地震でも、多数の家が倒壊している。今後、住まいをどう取り戻すかは、大きな心配事だろう。

 しかし、住まいについて、国から受け取れる支援金は最大でも300万円だ。「被災者生活再建支援制度」の適用により、家の被害が「全壊」の場合に100万円(基礎支援金)、建設・購入する場合に200万円(加算支援金)支給されるのが最高額だ。

 家の被害が「大規模半壊」で、建て直しではなく賃貸を選ぶと、併せて100万円までの支給しかない。一度、賃貸を選んだ後、家を建設・購入(または補修)する場合は、合計200(または100)万円となるが、この金額では新築は事実上難しく、仮設住宅などでの暮らしを選ばざるを得ない人も多いだろう。

 この背景には、住宅はあくまで個人の資産に当たるため、国のお金=税金を投入して支援するのは問題だという理屈がある。そのため、天災で家を失っても住宅ローンは棒引きされずに借り入れが残り、新たな住宅購入のためのローンものしかかる、いわゆる二重ローン問題が起きるわけだ。(条件によっては債務免除になる制度もあり)

 釈然としない気持ちは残るが、税金を無尽蔵に投入するわけにもいかないという事実は理解できる。結局、我々には自助努力が求められるのだ。

耐震改修工事で税金の控除や減免が受けられる

 ただし、住まいの耐震化に関しては、公的な補助が使えるケースがある。

 東京都の例でいえば、各自治体が耐震診断費用の助成や耐震診断士の無料派遣を行っている。例えば、世田谷区では「木造住宅耐震化支援事業」として、1981年5月31日までに着工した木造建築物について、診断士を派遣し、耐震診断調査を無料で行っている。その結果、倒壊の可能性が高いとされ、耐震改修工事を行う際には、最大100万円の助成金が出る。

 ただし、助成金を受けるには事前申請が必要なため、工事を済ませてから請求しても適用外になるので注意したい。自治体によって制度の詳細は異なるので、一度確認してみるといいだろう。

 さらに、耐震改修工事を行うと、税金の控除や減免が受けられる。所得税の特別控除、固定資産税の減免などだ。

 所得税については、耐震工事費用の額(補助金などの交付を受ける場合には、その補助金などの額を控除した金額)の10%、最高25万円が減税となる(81年5月31日以前に建築された家屋で、自己の居住の用に供する家屋であることが条件)。住宅ローン控除との併用も可能だ。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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