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田中洋「マーケティングのキーインサイト」

日本人のテレビ視聴時間、実はネットの7倍…8割の人が「テレビつまらない」と感じるワケ

文=田中洋/中央大学ビジネススクール教授

 ここでいいたいことは、ネットのコンテンツは、テレビコンテンツのように手間暇かけて予算をつぎ込んでつくられたものでないとしても、ユーザーが自分で探してきたコンテンツであるために、テレビよりも面白いと感じられる、ということなのです。

まとめ

 テレビは娯楽や教養のメディアとしては、国民全体としては、まだまだネットよりも大きなパワーをもっています。ただし近年テレビ視聴が減少した有力な原因のひとつは、コンテンツが面白くなくなったというよりは、自分で選択したコンテンツがインターネットによって提供されることが多くなったためではないかと推測されます。同じコンテンツであったとしても、受け身で消費されるテレビで流される場合と、ユーザーが自分で選択して消費する場合では、後者のほうが面白く感じられるのです。

 テレビ苦戦のもうひとつの原因は、テレビ視聴の習慣の減少によるものと考えられますが、それはまた別の機会に考察したいと思います。
(文=田中洋/中央大学ビジネススクール教授)

【参照文献等】

NHK放送文化研究所(2016)『2015年国民生活時間調査報告書』

スカパー「テレビ視聴に関する調査2015」

ビデオリサーチ「プロ野球高世帯視聴率番組」

「視聴率3%…巨人戦、テレビ局は「もう中継必要なし」 日テレ、天王山すら中継なしの異常事態」

田中洋「授かり効果」 毎日新聞SPACE

北折充隆 2011「録音笑いの印象に関する研究」金城学院大学論集人文科学編 第8巻第1号 pp.11-17

総務省「平成 26 年通信利用動向調査の結果」

田中洋/中央大学ビジネススクール教授

田中洋/中央大学ビジネススクール教授

京都大学博士(経済学)
日本マーケティング学会会長、日本消費者行動研究学会会長を歴任。
1975~1996 21年間、㈱電通勤務。
1996~1998 城西大学経済学部助教授
1998~2008 法政大学経営学部教授
2003・4年度コロンビア大学ビジネススクール客員研究員
2008~2022 中央大学ビジネススクール教授
2022~ 中央大学名誉教授
元・東証一部上場・ソウルドアウト株式会社社外取締役
関心領域:マーケティング論・ブランド論・広告論
田中洋 中央大学ビジネススクール教授のオフィシャルサイト

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