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巨匠エルマンノ・オルミ監督が伝承する戦争の記憶 80歳を越えて『緑はよみがえる』手がけた背景

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【リアルサウンドより】

 ヨーロッパの街並みを歩くと戦争記念碑を目にする。季節を問わず花束や花輪が供えられたその碑は、第二次大戦よりも、第一次大戦に関するものである場合が多く、近代兵器を用いたこの戦いがいかに当時の人々の心に巨大な喪失をもたらしたのかをまざまざと思い起こさせる。

 イタリアの巨匠エルマンノ・オルミが紡ぐ『緑はよみがえる』もまた、言うなれば、そういった街なかに佇む記念碑のような映画だ。規模はそれほど大きくない。だが、旅の途中でふと足を止め、その記念碑に書かれてある文言を眺めながら思いを馳せるような、つかの間の追慕を体験させてくれる。

 舞台はイタリアの激戦地となったアジアーゴ高原。一面の銀世界に包まれたこの地では、かつてイタリア軍とオーストリア軍が、耳を澄ませれば互いの話し声が漏れ聞こえるほどの至近距離に塹壕を築き、互いに銃口を向け合っていた。ここでのたった一晩の出来事を、オルミは様々な情感を織り交ぜながら、抑制されたタッチで描き出している。本作は開戦から100年目となる2014年に本国で公開され、完成披露試写では大統領も出席するなど、文字通りの記念碑的な位置付けとして受け止められることとなった。

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