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資金消失で客の被害227億円…レセプト債の会社社長が不可解な動き、破産申し立て直後に

文=山口義正/ジャーナリスト

 しかし、MHMはあくまでも川崎前社長の個人会社だったはず。アーツ証券とは無関係で、アーツ証券の破産申立書にも名前は記載されておらず破綻していない。「管財人に聞いても答える立場にはないのでは? それともアーツ証券となんらかの関係があったのでしょうか」と問い直してみたところ、「無関係です」との答えが返ってきた。「ならば管財人に質問しても、(管財人は)答えようがないし、筋が違います」と返信したところ、以後、返事はこなくなった。

 現段階ではMHMがレセプト債問題に関わっていることを証拠立てるものはない。しかし、国際調査報道ジャーナリスト連合のHP上で閲覧できる「オフショアリークス」では、アーツ証券が設立したとみられるオフショア法人の存在が新たに浮上するなど、レセプト債問題を覆う闇は深く、どす黒い。

【註1】レセプト債問題
 医療機関の診療報酬請求権(レセプト)を買い取り、これを裏付けとしたレセプト債という証券化商品を発行していたファンドが破綻したことを受け、個人投資家を中心に被害が表面化。証券取引等監視委員会は2月、債務超過であることを隠蔽したままレセプト債を販売していたアーツ証券を強制調査した。運用会社オプティファクターとファンド数社が約291億円の負債を抱え昨年11月に破綻し、約2470人の投資家に発行された約227億円分の債券が償還されなくなっていた。
(文=山口義正/ジャーナリスト)

●山口義正
ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)。

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