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「高い」ユニクロ、強烈な客の拒否反応で「深刻な事態」…ブランドへの自信過剰がアダ

文=編集部
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 値上げで客数は減っても、客単価の上昇で既存店の売り上げはプラスを維持できると見込んでいたが、客離れはファストリの想定をはるかに超えるスピードで進んだ。

 値上げ策は消費者に受け入れられなかったことになる。一転して、今年1月からシャツやジーンズなど定番商品を300円から1000円程度値下げした。このセールで1月の来客数は前年同月を上回ったが長続きせず、その後は前年割れが続く。

 値上げ作戦は空振りに終わった。百貨店と総合スーパーが中心だった衣料品市場にSPA(製造小売り)モデルを持ち込み、ユニクロは低価格・高品質を武器に急成長してきたが、相次ぐ値上げでお得感がなくなり客離れが加速した。

「より深刻なのは、消費者の動向をファストリが鋭敏にキャッチできなくなったことだ。2年連続で値上げすれば客足が遠のくのは当然。ブランド力に安住してしまい、値上げによる落ち込みは軽微だと高をくくっていたのだろう。アパレルの勝ち組になったという自信過剰から、消費ニーズをとらえる感性が鈍ってきた。これは、数字の落ち込み以上に深刻な事態だ。暖冬のせいにしているが、長年ユニクロに慣れ親しんだ層が『安くない』と感じたことが、客離れを起こした最大の原因」(業界筋)

 ファストリはユニクロを値下げ路線に戻し「お買い得感満載」を実現して、プライスリーダーとしての立場を取り戻すとしている。「コストの構造を根幹から変える」こととワンセットでなければ、販売が落ち込んでいるなかでの値下げ断行はいっそうの収益悪化を招くだけに終わる。
 

好調なしまむらと無印

 消費不振でも着実に業績を伸ばしている小売業は少なくない。ユニクロは客離れが進む一方、低価格を維持したしまむらの16年2月期の既存店客数は前期比3.4%増、売上高は4.7%増だった。独自ブランド商品を増やし割安路線を徹底させた結果、客数を上回る収入増につながった。しまむらの17年2月期は売上高が前期比5%増の5751億円、純利益は24%増の306億円と、4期ぶりに最高益を更新する見込みだ。

 靴チェーンのエービーシー・マートの16年2月期の既存店売上高は前期比5.1%のプラス。インバウンド(訪日外国人)需要を取り込んだことから、客単価が2ケタの伸びを続けた。17年2月期の売上高は前期比2%増の2430億円、純利益は9%増の284億円。4期連続で過去最高を更新するとしている。都市部の店舗で女性向けスニーカーの販売が伸びている。

BusinessJournal編集部

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