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小林敬幸「ビジネスのホント」

5月病のキミへ…20代に不器用で失敗連続の人は、のちに必ず成長する、苦労はすべて役立つ

文=小林敬幸/『ビジネスの先が読めない時代に 自分の頭で判断する技術』著者
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 しかし、ごまかしが下手なおかげで小さな失敗や欠点も指摘され、叱られて改善しているので、基礎ががっちりできている。30歳を越えて重要な仕事をするようになると、土台がしっかりしているので確実に案件をやり遂げることができる。ほとんどの仕事において、社内も社外も5年、10年、20年と長期間の人間関係だ。瞬間的なごまかしはいずればれるし、華やかでなくても正直で確実に実行する人が、結局は信頼を得られる。

 また、若いうちに不器用で苦労した人は、打たれ強いので、多少の困難にぶつかってもへこたれない。天分でなく努力で技術を身につけているので後輩の指導もうまい。こういう人は、30歳、40歳になってから着実に実績もあげて成長していく。

 不器用な人は、成長する。

寄り道、回り道もみんな資産になる

 
 今一生懸命やったことは、すべてのちに使えるから、なんでもやっておいたほうがいい。20代に興味を持って一生懸命やったことは、すべて後々自分の役に立つ。直接仕事の成果につながらないことでも、単なる私的な趣味であっても、結果がうまくいってもいかなくても、自分の大切な資産になる。今はとにかくなんにでも興味を持って、興味を持ったことを一生懸命やるのが一番だ。

 つまらなくみえる仕事でも、別の角度から興味を持ってみるといい。私は朝のビラ配りをしていた時に、「遅刻ギリギリに来る人には美人が多い」という仮説を立てて楽しんでいた。「天は二物を与えないのか」と。そう思ってニヤニヤしていたのなら、ダメなビラ配り要員だった。でも、街歩きからマーケティング上の「きざし」を読み取る最初のよいレッスンだった。

 取引先にぺこぺこするのがつらければ、どうしてこんなに立場が弱いのか、業界の構造について考えてみてもいいだろう。社会の不合理をみつければ、将来それを正す方法を見つければ、大きなビジネスにつながることはよくある。たとえば、不合理にぺこぺこもせずインターネット上で片付くようにしてしまえば、その業界の多くの人が利用するかもしれない。

 また、スポーツや音楽などの趣味を一生懸命するのも素晴らしい。将来転勤した先でその趣味を通じて地元の仲間ができると、赴任地に適合するのにとても助かる。

 コツは、興味を持つことだ。脳科学からも示唆があるように、何事も興味を持って楽しんでいると、習熟も早いし、記憶にも残る。うまくいかなくてもその経験を蓄積できる。イヤイヤやっていると身につかない。

小林敬幸/『ふしぎな総合商社』著者

小林敬幸/『ふしぎな総合商社』著者

1962年生まれ。1986年東京大学法学部卒業後、2016年までの30年間、三井物産株式会社に勤務。「お台場の観覧車」、ライフネット生命保険の起業、リクルート社との資本業務提携などを担当。著書に『ビジネスをつくる仕事』(講談社現代新書)、『自分の頭で判断する技術』(角川書店)など。現在、日系大手メーカーに勤務しIoT領域における新規事業を担当。

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