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三菱自、異常な社内風土…幹部がルールも知らず高圧的言動と圧力、人事異動少なく組織縦割り

文=溝上憲文/労働ジャーナリスト
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 三菱自はこうした指摘を踏まえて05年1月に「三菱自動車再生計画」を発表し、さまざまな改革を実施したはずだった。だが、燃費データの隠蔽を生み出す組織の閉鎖性や責任の所在の曖昧さを生み出す企業体質は依然として変わっていなかったのである。

 こうした組織風土を変えるのは容易ではない。まるで別会社になるぐらいの人材の刷新を含めた組織構造の変革や企業文化の根本的変革しかないだろう。

日産は大ナタを振るう

 今回の燃費偽装が発覚したきっかけは昨年11月、軽自動車分野で提携する日産が燃費を独自に調べて数値に開きがあると指摘したことだった。

 今年2月末に筆者は日産自動車のカルロス・ゴーン社長にインタビューし、自動車メーカーの経営者の役割について質問した。ゴーン氏は役割のひとつについてこう答えている。

「自動車業界を取り巻く大きな変化として、ますます透明性が求められています。ネットもあるし、政府の規制も厳しくなっているし、お客様の期待も大きくなっています。そうしたなかで情報を隠すことが許されなくなっている。経営者はそうした変化を理解し、そのうえで会社としてどうするかを考え、勇気を持って変革する力が必要です。理解できなければ間違ったことをやるということにもなりかねません。理解して規律を重視して会社に実行させることが重要なのです」

 このときにゴーン氏が三菱自の燃費偽装問題をどの程度意識していたのかはわからない。だが、同社が日産自動車の傘下に入れば組織風土の抜本改革の大ナタが振るわれることは間違いないだろう。
(文=溝上憲文/労働ジャーナリスト)

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