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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

肥満じゃないのに「隠れメタボ」が危ない!糖尿病や高血圧の恐れ、どうやって判別?

文=新見正則/医学博士、医師

 日本で生活している多くの中国人は、中国人観光客に比べればまったく問題なく日本の生活に溶け込んでいると思います。つまり、「中国人観光客」と分類を狭めると、私たちが不愉快に感じる行動を取る集団が比較的イメージしやすく、また相関しやすいということです。

 この中国人観光客を肥満に置き換えて考えればいいのです。でも実はそのなかでも、ちょっと「日本では見ない大きなスーツケースを転がしている人」が不愉快だと別の切り口で分類することもできるのです。「中国人観光客」でかつ「日本では見ない大きなスーツケースを転がしている人」は要注意ということです。

 肥満で内臓脂肪が100平方センチ以上というメタボの位置づけと同じです。肥満ではないのに実はメタボに当てはまることもあるのです。

 また、実は「中国人観光客」でもなく、かつ「日本では見ない大きなスーツケースを転がしている人」でもないが、私たちが不愉快に感じる人も存在します。たとえば、日本人でも当然に不愉快な人もいます。沢山の人が一緒に生活をしているのですから、自分の立ち位置からすれば不愉快な人はさまざまにいるはずです。でも、人は分類したくなるのです。こんな人たちは往々にして不愉快だと。それが、「中国人観光客」とか「日本では見ない大きなスーツケースを転がしている人」になるのです。

 BMIが25以上という基準に当てはまる肥満の人も、また内臓脂肪が100平方センチ以上というメタボに当てはまる肥満の人も、また両方に当てはまらない人も、複数の生活習慣病を将来合併する人はいるのです。メタボの内臓脂肪の基準をもっと上げれば、今以上に危険な肥満を抽出できるのかもしれません。極論君も非常識君も見方が違うけれど、主張は両方とも正しいということだと思います。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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