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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

ダメ企業が細かい「科学的ルール化」で驚異的好業績&離職者激減

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
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成長企業の異色な「ルール」

 筆者を出迎えてアースコムの秘密を語ってくれたのは、副社長の丸林綾子氏だ。

ダメ企業が細かい「科学的ルール化」で驚異的好業績&離職者激減の画像3副社長 丸林綾子氏

 副社長が最初に見せてくれたのが、社内の壁に貼ってある「掃除の作業分担表」だった。壁にはほかにも事業計画表や売上計画表などが所狭しと貼ってある。そのなかから真っ先に紹介されたのが「掃除の作業分担表」であったのには驚いた。

 しかし、そこにこそアースコムの急成長してきた理由がある。

「掃除の作業分担表」には、掃除場所としてトイレや床はもちろん、PCや蛍光灯、社用車の掃除まで事細かく細分化され、担当者も定期的に振り分けられていた。しかも、全員でできているかどうかの相互チェックを行っているようだった。

 ここまで事細かなルールがあれば、さぞや社員もやりにくいだろうと思ったが、分担表の前で相互チェックしている社員たちの顔は実にイキイキとしているのだ。このギャップに、筆者はすぐに「この会社にはほかの会社にない何かがある」と感じた。

 次に副社長が見せてくれたのが、社員のデスク上のスタンドすべてに、見えやすいように置かれている「プロファイルシート」だった。社員それぞれの特性を科学的に分析し、思考と行動のスタイルにどのような傾向があるかをグラフでわかりやすくしたものである。社員が分析型なのか社交型なのかといった特性が一目でわかるようにしている。

ダメ企業が細かい「科学的ルール化」で驚異的好業績&離職者激減の画像4

「これを見れば、コミュニケーションが円滑に進むようになるのです。たとえば、分析型ならばロジックで話すとわかりやすくなり、社交型ならば感情を含んで話せばいいことがわかります。社員全員がお互いに特性を理解していますから、同じ情報を伝えるときでも、各々が工夫をするようになります」(丸林副社長)

 社員の特性をプロファイリングする会社はあるが、ほとんどの場合が参考程度で終わらせ、現場で常時活用している事例はまれだ。しかし、アースコムでは愚直なまでに徹底的に現場で実践活用し、そして結果を出していた。

多くのルールでストレスを軽減?

 そのほか、壁に貼られた事業部ごとのミッションや役割分担表など、実に多くの書類をみせてもらった。その共通点は、どのような業務でも、今すぐに実践できるレベルまで細分化し、誰が責任を持っているかを明確化し、しかも結果を社員全員でチェックする仕組みであった。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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