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ラーメンの福しん、頼まれたらなんでもつくる?なぜいつも味違う?手間かけすぎ非効率経営!

文=ソマリキヨシロウ/清談社
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チェーン店なのに「客に頼まれたらなんでもつくる」

「地元密着」とは、店舗を訪れる客に対して「家族的」「家庭的」なサービスを行うということでもある。福しんが一番重視しているのは、まさにその点だ。

「店は小さめで、いつもの店員さんがいて、精いっぱいのサービスをする。それによって、お客さんとの会話が増え、リピーターにつながり、店側もお客さんの好みがわかってきます。

 また、お客さんの要望には可能な限り応える方針です。『味濃いめ』や『味薄め』、さらに『麺やわらかめ』や『超やわらかめ』など、要望があればいくらでも対応します。極端な話、エビチャーハンの『卵抜き、油抜き』でも、お客さんが望むならつくります」(同)

 客の要望を聞きすぎると、店舗によってつくれるものとつくれないものが出てくる。外食チェーンは「どの店舗も同じ味、同じ価格」というのが一番のポイントのはずだが、それでも福しんの会長は「お客さんに頼まれたら、材料があるならなんでもつくれ」と指示するというのだ。

「直火を使っている以上、どうしても味は変わるんですよ。チャーハンもきちんと白米から炒めるので、炊きたてのご飯としばらく保温していたご飯では、同じつくり方ができない。

 マニュアル上の手順では『(中華鍋を)返して、何回叩いて』と決めてあるのですが、そのへんは技能の差が出てしまう。しかし、それも逆に店の個性になります。例えば、ある従業員が別の店舗に応援に行ってマニュアル通りにつくると、常連のお客さんに『味変わった?』と言われることもあります」(同)

あえて手間とコストをかける非効率経営

 そして、客のためなら手間やコスト増も厭わない。定番のひとつで、特に独身男性の間で不動の人気を誇る「野菜タンメン」(490円)というメニューがある。

 この野菜タンメンにはセロリやクコの実が入っているが、それらの具材は、ほかの中華料理チェーンでは使われていない。セロリは好き嫌いが分かれるため、普通は敬遠するからだ。しかし、福しんでは常連客の栄養バランスを考え、あえてこうした食材を選んでいるという。

 また、客の懐事情にも気を配る。例えば、定食系のメニューにはスープが付いてくるが、100円プラスするとスープが半ラーメンにグレードアップされる。これは「おともラーメン」といって、福しんならではのサービスメニューといえるだろう。

「コスト的には大変な部分もありますが、麺も自社製なので、なんとかなっています。以前『100円餃子』というメニューを出していたのですが、あれも、ほかのチェーンは真似できないと思います。現在、日高屋さんの真似をして無料クーポン券を配っていますが、麺大盛りやライス大盛りに加え、『あじたま』『杏仁豆腐』『冷やっこ』も選ぶことができます」(同)

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