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少女椿、ライチ☆光クラブ、南くんの恋人……ガロ系漫画が時代を越えて実写化される理由

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 今年に入り、丸尾末広原作による伝説のカルト漫画『少女椿』や、古屋兎丸原作の『ライチ☆光クラブ』など、いわゆるガロ系作家と呼ばれる漫画原作の実写映画が続々と公開され話題を呼んでいる。“ガロ”出身のみうらじゅん曰く「世の中の漫画は『ガロ系』と『それ以外』の2つに大きく分けられます」と言うほど、個性の強い“ガロ系”作品が、なぜいまの時代に実写化されているのか? ガロ系漫画と映画の親和性を検証してみたい。

■日本初の青年漫画雑誌“月刊漫画ガロ”

 “ガロ”とは、1964年から2002年頃まで青林堂が刊行していた、日本のサブカルチャーやアンダーグラウンドを代表とする伝説的漫画雑誌“月刊漫画ガロ”のこと。そこに掲載されていた一般的な雑誌で扱わないような独自の作家性を持つ漫画家たちの作風が、俗に“ガロ系”と呼ばれている。

 貸本漫画の出版などで知られていた編集者の長井勝一が、白土三平の『カムイ伝』の連載をする場として雑誌を作ろうと話し合ったことが“ガロ”誕生のきっかけとなり、1964年に青林堂より創刊。手塚治虫のライバルと言える白土三平や水木しげるなどが創刊に名を連ね、翌年には『ねじ式』などで“ガロ”のアイコン的存在のつげ義春が台頭する。長井の方針により、商業性より作家性を重視し、編集者の干渉が少なく作家にきわめて解放的な作品発表の場を提供、独創的な作品を積極的に掲載していく。60年代は学生運動が盛んだった時代、映画界が非商業主義的な芸術作品を次々送り出したATG(日本アート・シアター・ギルド)が学生たちに支持され映画界に意識改革が起きたように、ガロもまた先鋭的な表現を好む学生たちに支持された。読む側も作る側も、大手出版社による表現とは異なるカウンターを求めていたのだ。

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