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ボロボロの名門・三菱重工の没落と醜態…紛争まみれ、肝入り事業失敗連続で巨額損失地獄

文=編集部
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 だが、こうした矢先、三菱重工と日立の間に亀裂が生じた。

 三菱重工は5月9日、南アフリカで手掛ける石炭火力発電プラントの工事に絡み、日立製作所に3790億円の支払いを請求したと発表した。この案件は、三菱重工と日立が14年に共同で設立した三菱日立パワーシステムズが、日立の連結子会社から引き継いだものだ。日立側も同日、「譲渡価格に関して三菱重工と日立は合意に至っていない」と発表した。巨額の負担をめぐり、両社の見解は大きく違っている。

 新会社発足前の07年、日立が火力発電所向けのボイラー建設を5700億円で受注した。新会社設立以前の損失は、日立が責任を負う契約を締結していた。

 三菱重工は独自に同案件の評価額を算出し、日立側には3790億円の支払い義務が生じると結論づけた。三菱重工は自社の試算に基づき日立に請求したが、交渉はまとまらず公表に踏み切った。日立側は法的根拠に欠けるとして請求には応じない旨を伝えている。

 三菱日立パワーシステムズの出資比率は三菱重工が65%、日立が35%。三菱重工は大型ガスタービン、日立が中小型ガスタービンに力を入れていた。事業統合により、フルラインナップの体制が整った。米ゼネラル・エレクトリック(GE)、独シーメンスに次ぐ世界3位に浮上し、「世界に挑む」と宣言した。

 三菱重工と日立の火力統合のシナジーが出始めた矢先に、対立が表面化した。この問題が三菱重工、日立双方の新たな業績のリスクになることは間違いない。

 三菱重工は、三菱日立パワーシステムズを中核事業と位置付けている。三菱重工にとって5つ目の大きなリスクだ。はたして“五重苦”に耐え続けることができるのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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