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三菱自、再建の意志ゼロか…新取締役に78歳官僚OGや三菱グループ長老だらけ

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新役員人事を発表する三菱自動車・益子修会長(ロイター/アフロ)

 東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を導入してから1年が経過した。株主の目線で経営に参加する社外取締役は6000人を突破し、社内も含めた取締役全体の2割を占めるに至った。

「流通最後のカリスマ」と呼ばれたセブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文氏が会長兼CEO(最高経営責任者)を辞任したことで、社外取締役の持つ力は世間に知れ渡った。

 このいわゆる「セブンの乱」で、社外取締役で指名・報酬委員会の委員長だった伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授の果たした役割は大きかった。

 これまでの社外取締役は「見映えが良くて扱いやすい、社長のお友達」が選任されることが多かったが、セブンの乱によって「社外取締役がCEOを切ることもできる」と明らかになり、状況は一変した。

日銀総裁経験者が社外取締役就任

 そこで、社外取締役の最新事情をみてみたい。

 日本銀行前総裁の白川方明氏が、三菱地所(杉山博孝社長)の社外取締役に6月29日開催の株主総会後に就任する。金融緩和に消極的で、「安倍晋三首相・黒田東彦日銀総裁体制から石もて追われた」と揶揄される人物が、金融緩和の恩恵を最も受ける不動産大手の社外取締役になるわけだ。

「違和感がある」との辛口評もあるが、「真面目でお堅い白川さんに白羽の矢を立てるとは、いいところに目をつけた。三菱地所のイメージに合っている」と、好意的に評価する金融関係者もいる。

 日銀総裁の経験者では、福井俊彦氏が信越化学工業の社外取締役を務めており、松下康雄氏がJ-POWERの社外監査役を務めたことがある。上場企業の社外取締役になるのは白川氏が初めてではない。

 株式市場の総本山、日本取引所グループでは6月21日の株主総会後に作家の幸田真音氏と伊藤忠商事会長の小林栄三氏が社外取締役に就任する。

 幸田氏は超売れっ子だ。2012年6月からJT(日本たばこ産業)、13年6月からLIXILグループの社外取締役に就いており、報酬委員会の委員でもある。JTは12月決算で、3月23日の株主総会で再任されている。

 小林氏は伊藤忠商事の6月24日の株主総会で取締役から外れ、現在の取締役会長からただの会長になる。実は、小林氏も隠れた売れっ子だ。10年6月から日本ベンチャーキャピタル、13年6月からオムロン、15年6月から日本航空の社外取締役を務めている。10年7月から朝日生命保険相互の社外監査役にも就いている。