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雨宮寛二「新・IT革命」

グーグル、他社の著作権侵害で巨額利益獲得か…オラクル提訴で一大議論に発展

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サイト「グーグル」より
 米オラクルと米グーグルが争うJava API(プログラミング言語Javaの機能を使用する際に提供されるインターフェース)の特許と著作権の侵害について、5月26日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコの米連邦地方裁判所の陪審が、OS「アンドロイド」のJava使用はフェアユース(公正利用)の範囲内であるとするグーグルの主張を認める評決を下した。


 この裁判は2010年にオラクルがグーグルを提訴するかたちで始まったが、これまでに判決が二転三転している。一審ではグーグルの特許侵害が認められず、Java APIも著作権保護の対象にはならないとの判決が下された。その後、14年には米連邦巡回控訴裁判所が逆転判決を下し、著作権法はJava APIに適用されるとした。

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 この時点でフェアユースについては連邦地裁に差し戻され、今回の評決となった。今回の争点は、まさにアンドロイドにおいてJava APIを複製することが米著作権法上のフェアユースにあたるか否かで、グーグルの主張が全面的に認められる結果となった。

 著作権保護の立場から考えれば、ソフトウェアのソースコード(設計図)が著作権法で保護されるのは大前提であるが、API自体を著作権法で保護すべきか否かというポイントに争点を絞ると、議論の余地が残される。

 この点に関してグーグルはこれまで、開発者に委縮効果を与える恐れがあるとして警鐘を鳴らしてきた。こうした主張が結実した今回の評決結果に対してグーグルは「これは、アンドロイドのエコシステム、Javaプログラミングコミュニティ、そして、オープンで自由なプログラミング言語を使うソフトウェア開発者にとっての勝利だ」との声明文を出している。

 確かに、近年自社のアプリケーションやウェブサービスを普及させる目的で積極的にAPIを公開する企業が増えている。すなわち、カスタマージャーニー(顧客が商品・サービスを認知して購入にいたるまでの過程)の活用である。APIとは、「アプリケーションプログラミングインターフェース」の略で、異種アプリケーション間の連係を可能にするが、こうした連係により自社サービスの価値を向上させることが可能となる。

「自由」か「著作権」か


 他方で、APIを使ったひとつの開発ケースとして互換性のあるプラットフォームを考えた場合、ある企業が独自に互換プラットフォームを開発しても、他社がそれを法外なライセンス料で阻止すれば、その企業は同じ機能でありながら異なるAPIを設計しなければならなくなる。必然的な流れとして、まったく互換性のないプラットフォームの乱立を招くことになるため、明らかに顧客の便益に反することになる。