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雨宮寛二「新・IT革命」

アップル、競合の後追いばかり…iPhoneもiPadもMacも販売大幅減

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アップルのロゴ
 米アップルが既存製品・サービスの改良や改善に軸足をシフトして久しいが、その「技術の進歩」の追求が今や競合他社の後手に回っている。


 たとえばアップルは先頃、毎年恒例となっている開発者向けカンファレンスであるWWDC2016を開催したが、このなかで15年間使い続けてきたPC、Mac向け「OS X」の名称を変更し、新たな機能を組み込む意向を発表した。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 新たな名称は「MacOS Sierra(マックオーエス・シエラ)」で、音声アシスト機能である「Siri(シリ)」をMacに搭載することで家庭用パーソナルアシスタントとして機能させ、アプリをはじめとしたさまざまな機能を新たに開発し提供することで、ユーザーに便益をもたらす狙いである。

 その機能とは、たとえば過去に作業したドキュメントを探したり、カレンダーにミーティングの予定を加えたり、FaceTimeでの通話を始めたりといった作業をすべて音声で指示し実現することである。さらには、検索結果のドキュメントや電子メールへの追加、システム環境設定の調節、リマインダーの設定、写真ライブラリの検索などの操作もSiri経由で頼めるようになる。

 だが、こうした音声アシスト機能をパーソナルアシスタントとして機能させる試みは、米マイクロソフトがWindows10に「Cortana(コルタナ)」を組み込むことですでに実現を果たしているし、何よりも米アマゾンが「Echo(エコー)」を開発してスマートホームアシスタントとしての新たな方向性を追求しつつある。

競合の後手


 他方でアップルは、定額音楽配信サービスなどで扱う音楽や動画などのデジタルコンテンツを自社で独自に制作する意向を示している。

 アップルの定額音楽配信サービスの有料会員はすでに1,500万人に達しているが、ここにきて「個別の楽曲売り」から「単純な楽曲のまとめ売り」に移行しただけでは音楽ビジネスの主流になり得ないことに気づき、独自コンテンツの自社制作に舵を切りつつある。

 だが、こうした試みは、すでに競合企業が始めており、とりわけ米アマゾンや米Netflix(ネットフリックス)が映画や番組などの独自制作に注力して、需要サイドの便益を高めることで会員数を伸ばすなど一定の成果を出すことに成功している。