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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

エスカレーターを当然の顔で「歩く」超危険な人達…そもそも歩行禁止、法律ないからOK?

文=新見正則/医学博士、医師
エスカレーターを当然の顔で「歩く」超危険な人達…そもそも歩行禁止、法律ないからOK?の画像1「Thinkstock」より

 今回は、エスカレーターでのマナーに関する話題で激論が交わされています。最近エスカレーターを走る人や、歩く人との接触で事故が増加しているとの報道を目にします。エスカレーターは動く階段ですから、転落して打ち所が悪ければ、相当な怪我を負います。

 まず、“極論君”は次のような意見です。

「そもそもエスカレーターは歩いて上がる人を想定して設計されていない。まず、多くのエスカレーターの入り口と出口の脇に貼ってあるステッカーを見ると、子供とは手をつないで並んで乗るように書いてある。もちろん手すりにつかまって乗るように書いてある。全員がそのルールに従って、歩いたり走ったりすることを全国的に禁止すれば、それで必要十分」

 確かに、いつからエスカレーターに立って乗る人は片側に寄って、そして片側を空けるようになったのでしょうか。関東では左側に立ち、関西では右側に立つそうです。たくさんの人が押し寄せているのに、両側に乗らず片側だけに乗って、そしてエスカレーターの入り口が人で溢れかえっている。そして空いている側は、むしろ早く歩かないと失礼になるので、どんどんと歩く。でも、立って乗るのに比べると、歩行している側の人口密度は通常相当低いのですよ。むしろ移動効率が悪いように思えます。なんだか滑稽な光景ですね。

 ともかく、立って乗っているお年寄りや体の不自由な人の脇を急いで移動する人が頻回に通るわけですから、危ないですね。そして荷物でも持っていようものなら、その荷物が立っている人に当たり、そして運が悪いとエスカレーターから転落することにもなります。

暗に歩行を認めるアナウンス

 次は“非常識君”の発言です。

「立って乗れとは法律で決まっているわけではない。そうであれば、左の人も、右の人も、基本は歩いて上がればいいのだ。そして歩けない人が例外的に立って乗ればいいではないか。みんなが一斉に歩けば、よりたくさんの人の移動に貢献することになる」

 確かにもっともな意見ですね。全員がエスカレーターの上を同じ速度で歩けば、単位時間当たりに移動できる人は増えますね。そして法的に決まっていることではないので、非常識な感じもしますが、ある意味もっともにも思えます。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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