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経済苦で自衛隊に入る大卒者が激増!紛争地派遣が現実的に…重い奨学金返済で人生台なしも

文=林克明/ジャーナリスト
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 この2人にならって「俺も大学に行きたくない」と親に訴えたのです。私の思考回路を熟知している親は、「あなたはまだ大学にさえ入っていない。ミラーもディランも一応、大学に入ってから中退した。彼らのようになりたかったら、まずは進学しなさい」と私を説得し、結局私は大学に入ったのです。

 当時はテキサス州に住んでおり、地元のテキサス大学オースティン校に入ろうと決め、そのときにブラジル国籍からアメリカ国籍に変えました。アメリカ国籍だと学費が一番安いからです。

 進学を決めた途端、海兵隊のリクルーターなど名も知らぬ人から次々に電話がかかってきました。そのやり取りはこんな感じです。

「あなた、大学へ行くんでしょ」
「なぜ知っているんですか」
「ちゃんとわかっていますよ」
「怖いですね」
「大学の学費はものすごく高いし、奨学金返済もきつい。人生を棒に振りたくなかったら、ぜひ軍隊に入りなさい。何もしなくていいから。ちょっとトレーニングするだけで、ちゃんと学位もとれるから」

 こういう甘い言葉で誘惑されても、「俺は騙されないぞ」と思っていました。台湾人である私の父は、1920年に日本統治下で生まれ育ち、44年に日本軍に1年以上投獄されました。父はキリスト教の牧師だったので、群衆の前で説教をしていましたが、それを抗日活動だと日本軍に疑われたのです。

 また、沖縄の石垣島で生まれた母方の祖父は同時期に軍隊に招集され、とてもひどい目に遭ったようです。戦場では小便を飲まされ、誰かがミスをすれば連帯責任で殴られるなど、トラウマしかないと語っていました。文芸評論家の江藤淳が大好きで、保守的な人でしたが、戦争は大嫌いでした。

 このような父や祖父の話を聞いた私は、軍隊や戦争には幻想を持っていませんでした。そして、私の学費を捻出するために祖母がずっと働いていてくれたおかげで、海兵隊などからの誘いを拒否できたのです。

軍法会議にかけられた友人

 しかし、軍隊の誘いを拒否できない友人もいました。インディーズ系のミュージシャンが好きで、政治にも軍隊にも興味のなかった仲間で、よく一緒にドライブに出かけました。彼の家は母子家庭でお金がないため、海兵隊に入って学費を稼ぐ道を選ばざるを得なかったのです。

 彼は海兵隊に入り、ハワイに飛ばされ、自分のDNAをサンプルとして提供するように命じられました。米軍はいろいろな産業と関わりがあるので、そのような関連産業における人体実験としてのDNA提供命令だったと思われます。

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