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あの鈴木健二元NHKアナが語るビジネスの心得!なんでもいいから得意技を磨きなさい!

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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NHK時代にあった佐藤栄作からの出馬要請

–鈴木さんは、松下幸之助さんに、登用すべき人材について相談されたことがあるそうですね。

鈴木 松下幸之助さんは、後継者に悩んでいました。ご本人が偉大すぎたのですが、私が「どうして後継者を選ばないのですか?」と質問すると、「どんな人が後継者にはいいのだろうか?」と逆に質問されました。

 私は、忘年会やレクリエーションで、まわりから推されて幹事になる人に好感を持つことを話しました。そういう人は、必ずしもキレ者ではありませんが、人望があるのです。人望は、身につけようと思ってもすぐに身につくものではありません。長い期間をかけて身につくのです。

–ご著書で、何かをやり遂げた人たちに共通することとして、美に対して高い関心を持っていることを挙げています。美に対する関心が、やり遂げる力にどう関係するのでしょうか?

鈴木 美に対する関心とは、芸術への関心に限ったことではありません。幼稚園児たちを動物園に連れて行くと、先生がゾウやキリンに関心を向けさせようとしても、園児たちは地面を這う蟻の行列を夢中になって見ていることがあります。蟻の行列が感性に響き、自然の美を感じ取っているのですね。

 喜劇王のチャールズ・チャップリンは、「木の葉の揺らぎ、風のそよぎに耳を澄ます。それが人を愛し、芸術を愛する心です」という言葉を残しています。例えば、女性のちょっとした仕草や自然の変化に感動する心は優しさにも通じて、人生を豊かにしてくれます。美への関心は人間のささいな行動への関心にもつながるので、何かをやり遂げる力にもつながっていきます。

–『気くばりのすすめ』シリーズ(講談社)などのベストセラーを立て続けに書き、全国的な知名度を持ちながら、NHKを途中で辞めずに定年まで勤務されました。在籍中に、いろいろなお誘いがあったと思いますが。

鈴木 在籍中には、政界からのお誘いがありました。元首相の佐藤栄作さんから「ぜひ、わが党からご出馬いただきたい」と要請されました。私は「出馬するならNHKを辞めて大学に1年間籍を置き、憲法をしっかりと勉強する必要があります。憲法を学ばないで出馬することは有権者に失礼です」と申し上げて、お断りしました。その3日後、今度は社会党委員長の飛鳥田一雄さんから「ぜひ、わが党から」と。

 アナウンサーが政界に身を転じても、票集めの客寄せパンダとして利用されるだけですからね。何人かのアナウンサーに出馬を相談された時には、いつも「おやめなさい」と答えたものです。

『気くばりのすすめ、三十四年目~どっこい、まだ生きております』 当年87歳。不世出のアナウンサー鈴木健二が自らの人生を振り返り、将来の日本のために言い残しておきたいことを縦横無尽に記した「遺言書」。 amazon_associate_logo.jpg

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